皆さまこんにちは!ひとしきです。
今回は「ナメハダタマオヤモリの飼育方法」について、解説していきます。
ナメハダタマオヤモリは環境さえ整えば育てやすい、と言われることがあります。ですが本種は丈夫な印象がある反面、細やかな環境づくりやケアが必要な場合もあるんですよ。
今回は「飼育方法」「病気やケガの対策」まで一気に解説し、実践しやすいポイントを整理しました。
「ナメハダタマオヤモリを飼い始めたけど、病気やケガのリスクはどう対策すればいいの?」
「日々の飼育で気をつけることは何かない?」
このような疑問にお答えできる内容となっております!
あなたのナメハダタマオヤモリ飼育が、より充実する一助になれば幸いです。ぜひ最後までご覧くださいね!
生態に関する解説はこちら!【ナメハダタマオヤモリの生態】生息地から繁殖まで完全解説!
飼育環境の準備に関する解説はこちら!【ナメハダタマオヤモリの飼育環境】初心者でも安心!器材準備からお店での確認事項まで丸わかり解説
飼育環境を整える

ナメハダタマオヤモリを飼育するうえで必要な準備品のリストです。まずは飼育ケージとその周辺器具をしっかり確認し、最適な空間を作りましょう。
ケージ
- 爬虫類用のガラスケージまたはプラケースなど、床面積に余裕のあるものを選びます。
- 1匹なら30㎝×20cmでギリギリ、できればもう少し広い方が、温度勾配を作りやすく、レイアウトの楽しみも増えますよ。
床材
- 爬虫類用の細かいサンドがオススメ!厚めに敷き、ヤモリが掘れるようにするのが一般的です。
- 誤飲リスクを低減するため、粒の大きい砂利などは避けましょう。湿ったシェルターゾーンも作ると、なお良いですね。
保温器具
- スポットライトやヒートマットなど
- 部分的に30〜35℃程度のホットスポットを用意し、反対側は28℃前後に保つ温度勾配が理想です。夜間は25℃前後、最低でも20℃を下回らないように。
給水設備
- 浅い水皿に常に新鮮な水を用意しつつ、霧吹きで壁面に水滴を与える方法も効果的です。
紫外線ライト(UVB)
- 夜行性なので必須ではありませんが、UVBを適度に照射するとカルシウム代謝が改善すると言われています。ヤモリが嫌がる場合は隠れられるシェルターも用意しましょう。
ポイントとしては、ヤモリ自身が「好きな場所を選べる」ように温度・湿度・照明条件にバリエーションを持たせることです。 砂漠系とはいえ脱皮前後に湿度が必要なので、乾湿の両方を用意しましょうね。
エサの種類と給餌方法

エサ(活餌を推奨)
- コオロギ:最も一般的で与えやすいエサ。栄養バランスもいい
- デュビア・レッドローチ:攻撃性がなく安全に与えられる
- ミルワーム・シルクワーム:脂肪分が多く、補助的なエサとして使用する
ナメハダタマオヤモリは完全な動物食で、主に昆虫を食べます。飼育下ではコオロギやデュビア、レッドローチ、シルクワーム、ミルワームなどをメインに与えますが、できるだけエサの種類をローテーションさせるのがポイントですね。
エサ用昆虫にはカルシウム剤(ビタミンD₃入り推奨)をまぶして与え、栄養バランスを補完してあげましょう。
給餌の頻度
給餌の頻度は、成長段階によって異なります。幼体や若い個体は毎日~1日おき、成体は週に2~3回程度が目安ですね。繁殖期や産卵後のメスは体力消耗が大きいので週5回程度、それ以外の時期は週3回程度でも問題ありません。
1回の給餌量はヤモリの頭部よりやや小さいサイズの昆虫を2~5匹ほど。食べ残しがある場合は翌朝までに必ず取り除き、ケージ内で昆虫が繁殖してしまわないようにしましょう。特にコオロギの場合は、ケージ内に放置すると、ナメハダタマオヤモリを噛む危険性があるため注意が必要です。
ちなみに夜行性ですから、給餌のタイミングは夕方〜夜にかけてがベスト。あまり明るいと警戒して出てこない個体もいますので、照明を落としてからエサを放すと自発的に狩りをしてくれます。エサを動かない容器に入れて与えるより、ケージ内に放して自力で狩らせた方がヤモリの運動にもなります。
ただし、エサ昆虫が多すぎるとヤモリが落ち着かずストレスになるため、一度に入れすぎないよう注意しましょう。
可能ならエサ昆虫のガットロード(昆虫に栄養価の高い餌を事前に与えること)をしておくと、栄養バランスが整ってさらに良いでしょうね。
飼育中に注意するべきポイントと対策

ここでは、ナメハダタマオヤモリを飼育する上で気をつけるべき事柄を挙げていきます。それぞれのポイントを押さえておくだけでも、飼育リスクをかなり軽減できますよ。
温度・湿度管理のミス
砂漠系ヤモリとはいえ寒すぎや高温すぎは大敵です。日中はホットスポットを35℃前後、反対側は28℃程度にし、夜間は20℃台前半まで下げるなどメリハリをつけてあげましょう。
また、過度な乾燥は脱皮不全を招く恐れがあります。床材の一部を湿らせて「湿度シェルター」を用意すると良いですよ。定期的に霧吹きするなど、局所的な湿度を確保する工夫が必要ですね。
床材の誤飲
エサを捕らえる際に誤って砂を飲み込むことがありますが、適量の砂であれば排泄されることがほとんどです。ですが粒の大きい砂や尖った砂利は、誤飲による腸閉塞のリスクがあります。誤飲対策のされた爬虫類用の細かい砂を厚めに敷くか、餌皿を使って砂の摂取を最小限にとどめましょう。
複数飼育のトラブル
本種は単独行動する生き物で、特にオス同士は強い縄張り意識から激しく争います。メス同士でも相性が悪いとケンカしたり、餌の奪い合いが起きますので、基本的には単独飼育で安全に育てるのがベストです。
ハンドリングと自切
ハンドリング自体は可能ですが、神経質な個体もいます。強く掴むと尻尾を自切するため、無理強いはやめましょう。安全な高さで手に乗せる程度ならストレスが少ないですよ。
栄養バランス不足
エサの種類が偏ると、ビタミンやミネラルが足りなくなる場合があります。特にワーム類のみを与えていると、栄養不足になりがちです。給餌の際はカルシウム剤をまぶすとともに、複数の昆虫をローテーションしましょう。
拒食(食欲不振)
温度や湿度が合わない、体調を崩している、ストレスが原因…と理由はいろいろ。まずは飼育環境を見直し、長期化するようなら爬虫類専門医に相談しましょう。
ケージの不衛生
フンやエサの食べ残しなどを放置すると、細菌やダニが繁殖して病気の原因になってしまいます。特に、高温多湿になりすぎたケージではカビやダニが発生することがあるため、通気を良くし過度な湿度上昇を避けましょう。
こまめにスポット清掃し、定期的に床材やシェルターを入れ替えるようにすれば、衛生環境を保ちやすくなります。
強すぎるUVB
UVBの照射は必須ではないですが、照射するなら強すぎる光でヤモリがストレスを感じないように注意してください。
罹患する可能性のある病気と対策

これらの病気は、適切な飼育管理や日々の健康チェックによってかなり予防・対策ができます。ですが何か不安なことがあれば、爬虫類を診れる獣医さんに相談してください。
くる病(代謝性骨疾患:MBD)
カルシウムやビタミンD₃不足で骨が軟化し、四肢や顎が変形してしまう深刻な病気です。
初期には「震え」や「噛む力が弱い」といったサインが見られる場合があります。重症化すると自力で餌が食べられなくなることもあるため、早期発見と治療が重要ですよ。
UVB照射やカルシウム剤の定期的な補給で予防できますので、忘れないようにしましょう。
脱皮不全
脱げるはずの皮が部分的に体に残ってしまう状態です。
軽度の脱皮不全ならぬるま湯で対処できますが、皮が指先や尾先に強く食い込み、血行不良で壊死寸前になるケースもあります。
連続で脱皮不全が起きる場合は、環境の乾燥が原因か栄養不良の可能性があります。こまめな湿度管理と十分な栄養補給を見直して、再発を防ぎましょう。
呼吸器感染症(肺炎など)
過度の低温や高湿度、不潔な環境が続くと細菌が繁殖して、呼吸器感染症を引き起こすことがあります。
鼻汁や口での呼吸、ゼーゼーという異音が聞こえる場合は要注意。早めに保温を強化し、症状が重い場合は動物病院へ。放置すると生命にかかわるケースもあるので気をつけたいですね。
寄生虫感染
主に消化管内の寄生虫が問題になり、下痢や体重減少、拒食などの症状を引き起こします。
野生捕獲個体や他の爬虫類と接触した場合などに感染リスクが高まりますね。定期的な糞便検査で早期に発見し、必要に応じて獣医師の指示で駆虫薬を投与すれば回復可能です。
外傷・咬傷
複数飼育でケンカが起きたり、レイアウト素材に挟まって傷を負うことがあります。
小さい擦り傷程度なら自然治癒しますが、深い傷や化膿した場合は消毒や薬の塗布が必要に。尾を自切した後の傷口にも感染症リスクがあるので、しばらくは清潔な環境を保ち、経過を観察してください。
まとめ
ナメハダタマオヤモリの飼育方法について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
ナメハダタマオヤモリは丈夫なヤモリですが、エサや環境が適切でないと体調を崩すリスクがあります。病気やケガは怖いもの。ですが、多くは事前の対策で防げるものばかりです。エサのローテーションや衛生管理など、手間を惜しまなければナメハダタマオヤモリとの楽しい暮らしが待っていますよ。
次の記事では、ナメハダタマオヤモリの繁殖に関して解説していきます!ぜひ、読んでみてくださいね。