【ハイナントカゲモドキの飼育方法ガイド】飼い方と注意するべきポイントを徹底解説!

ハイナントカゲモドキ
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皆さまこんにちは!ひとしきです。

今回は「ハイナントカゲモドキの飼育方法」について、解説していきます。

前回の記事では、ハイナントカゲモドキの飼育環境について解説しました【ハイナントカゲモドキの飼育環境】初心者が押さえるべき環境づくりのポイントについて解説!

あわせてご覧いただけるとより理解が深まると思いますので、まだの方はぜひ!

この記事では環境に関する話は手短に、エサと給餌方法、飼育中の注意点、罹る可能性のある病気について、掘り下げて解説していきます。

「お迎え準備はバッチリ!具体的な飼育方法を教えて!」

「病気にならないか不安……気を付けておくことは何?」

といった声にお答えできる内容となっております!

ハイナントカゲモドキを飼育する予定の方はもちろん、現在飼育中の方にも役立つ情報だと思いますので、ぜひ最後までご覧ください!

ハイナントカゲモドキの生態についてはこちら!【ハイナントカゲモドキの生態】赤黒い眼と暗色の体が魅力的な彼らの生態について解説!

基本情報

http://www.ms-goniurosaurus.de/fertige%20Homepage%20Geckos%20deutsch/Artenueberblick/G.%20huuliensis/g.huuliensis.htm
  • 最大体長:12~15cmほど
  • 食性:昆虫食
  • 生息域:中国南部の海南島や周辺地域の、湿った森林地帯や洞窟周辺
  • 生態:地表性
  • 活動時間帯:主に夜間・薄暗い時間帯(夜行性)

ハイナントカゲモドキはレオパードゲッコーと同じトカゲモドキの仲間で、「まぶたがある」「壁を登れない」などの共通点を持ちます。臆病で神経質な性格で、普段は物陰に隠れています。
多湿を好む生態を持ち、レオパードゲッコーと比較すると飼育難易度はやや高めですね。

飼育環境

詳しい内容は前回の記事でご紹介しています【ハイナントカゲモドキの飼育環境】初心者が押さえるべき環境づくりのポイントについて解説!

ハイナントカゲモドキは飼育環境が適切であれば、そんなに弱い種類ではありません。以下の飼育環境を確認しておきましょう。

ケージ(テラリウム・グラステラリウムなど)

  • サイズは最低幅30㎝×奥行30㎝。理想は幅45㎝
  • 通気性と保温性が確保できるガラス製のものがオススメです。前面扉のものがメンテナンスがしやすいですね。脱走防止のため、フタがしっかり閉まるものを選びましょう。

床材(ヤシガラ土、ピートモスなど)

  • 保湿性の高い土壌系の床材を使用する。
  • カビやダニが発生しないよう、清潔に保つようにしましょう。

シェルター(隠れ家)

  • ストレス軽減のために必須です。湿度が確保できるよう、ウェットシェルターを利用すると良いでしょう。
  • できればホットスポットとクールスポットにそれぞれ1つ設置しておくと、ハイナントカゲモドキが自由に選択できます。

保温器具(パネルヒーター、ヒートランプなど)

  • 日中は25~28℃程度、夜間は20~24℃程度になるよう調整する。
  • ケージ内の一部は温度を高め、昼夜の温度勾配をつくる。夜行性でも適温域を保つ必要がある。
  • センサーを設置して、温度と湿度は常にモニタリングしておきましょう。

水入れ・噴霧スプレー

  • 多湿を好むため、60~80%をキープできるようにスプレーで加湿しましょう。
  • 水入れからも水を飲むため、常にきれいな水を用意しましょう。

ハイナントカゲモドキは夜行性のため、紫外線ライトは必要ないとされています。しかし、自然環境を再現するために、昼間に弱いUVBライトを点灯する飼育者もいます。

エサの種類と給餌方法

与えるエサ

  • コオロギ(イエコ、フタホシ)
  • ローチ系(レッドローチ、デュビア)

ハイナントカゲモドキは昆虫食性です。与えるエサは、タンパク質が豊富なコオロギかローチ系が良いでしょう。ミルワームはタンパク質が少なく脂質が多いため、与えすぎには注意してくださいね。

神経質な面があり、活餌しか食べない個体も存在します。給餌の際はエサを動かして興味を持たせると、喰いつきが良くなりますね。どうしてもエサの喰いつきが悪い時は、動きの大きなミルワームやシルクワームなどを与えてみてください。
しかし逆に、動かないエサでも積極的に食べる個体もいます。このような場合は、レオパードゲッコー用の人工フードに餌付けすることも可能かもしれません。

給餌の頻度(目安)

  • ベビー:毎日
  • ヤング:1日おき
  • アダルト:2~3日おき

活動量や体調に応じて調整します。特にベビー~ヤング期の個体には成長するためのタンパク質が必要ですので、欲しがるだけあげても問題ないです(脂質には注意)。

与える量は、体の幅くらいのサイズの昆虫を数匹。食べ残しは必ず取り除き、清潔を保ちましょう。

注意点

昆虫エサを与える際は、必ずカルシウムパウダーをダスティングしてください!昆虫エサだけだと、骨の形成に必要なカルシウムが不足してしまいます。

オススメの方法としては、ビニール袋にエサとカルシウムパウダーを入れて振ることで、昆虫の全身にカルシウムパウダーをつけることができます。エサの全身が真っ白になればOKですね。

飼育中に注意するべきポイントと対策

ストレス

ハイナントカゲモドキは臆病な性格で、ストレスを感じやすいとされています。頻繁に触ったり、休んでいる昼間にケージを開けたり物音を立てると、ストレスになる可能性があります。
シェルターを複数設置する、振動や騒音の少ない場所にケージを置くなどの対策をしましょう。

ハンドリング

先ほども挙げたように、ハイナントカゲモドキは臆病で神経質な性格です。基本的にハンドリングは嫌がることが多く、ストレスになります。無理なハンドリングを行うと、尻尾を自切してしまうかもしれません。
個体が嫌がっている様子なら、触らないようにしましょう

脱走

どんな爬虫類でもそうですが、ケージの隙間が開いていたり、メンテナンス中に目を離すと脱走することがあります。すぐに見つかればいいですが、発見が遅くなると命に関わります。
また、ハイナントカゲモドキは外来種のため、万が一自然界に放たれてしまうと、大きな問題になります。
逃走しないようなケージを用意し、メンテナンス中は生体から目を離さないようにしましょう。

ペットの逃亡についてはこちらの記事で詳しく解説しています【ペットの逃亡】大変ってだけじゃすまされない!爬虫類ペットが逃げ出してしまった際に起きる様々な影響について、「法律」と「生態系」の側面から解説!

多頭飼育

オスは特に縄張り意識が強く、同居させるとケンカします。またオスメスのペアであっても、相性が悪ければケンカに発展します。
ですので、基本的には単独で飼育することが望ましいですね。繁殖目的などで多頭飼育する場合は、大きなケージと複数のシェルターを用意し、必要に応じて隔離できるように準備しておきましょう。

湿度

ハイナントカゲモドキは湿地帯に生息するため、想像以上に乾燥には弱く、脱水症状を引き起こすこともあります。とはいえ、蒸れているのも好ましくありません。
前述していますが、通気性の確保されたケージを用意して、適度に霧吹きを心がけましょう。

罹る可能性のある病気と対策

何か異常を感じたら、早めに爬虫類を診られる動物病院へ相談するのが基本です。おかしいと思う点(食欲不振、皮膚の変色、呼吸異常など)があれば、迷わずプロに相談しましょう。

脱皮不全

脱皮の際に、古い皮がうまく剥がれない状態です。指先に皮が巻き付くと血行不良を引き起こし、最悪の場合は指先が壊死してしまうこともあります。
湿度不足や栄養不良が原因でなることが多く、適切な湿度管理と栄養バランスが大切です。
霧吹きを欠かさず、水入れをきちんと用意しましょう。眼が濁っているときなど脱皮の兆候があれば、これらを改めて確認してみてください。
皮膚が残っている場合は無理に剝がさず、水浴びや温浴させるなどしてふやかしてくださいね。

くる病(MBD:代謝性骨疾患)

骨が弱くなる病気で、背骨や脚が曲がったり、動きが鈍くなる症状が見られます。
カルシウム不足が原因で起こりますので、給餌の際は必ず、カルシウムパウダーを振りかけて与えるようにしてください。

くる病についてはこちらの記事で解説しています【病気の解説】絶対に知っておいて!爬虫類の骨がもろくなる恐ろしい病気「くる病」の症状と予防策を解説!

腸閉塞

正常に便の排泄ができないため下腹部がパンパンになります。放置すると死亡するリスクもありますので、エサを食べているのにフンを見ないなどの場合は、お腹あたりを確認してください。
床材の誤飲や昆虫エサの外殻(キチン質)の過剰摂取により発症しますので、床材の誤飲や外殻の硬い昆虫(ジャイアントミルワームなど)の過剰摂取には注意してくださいね。

細菌感染・ダニ

多湿環境での飼育になるため、カビや細菌が発生しやすく、皮膚病や口内炎を引き起こします。
フンを取り除いたり、床材は定期的に交換しましょう。また、通気性と湿度バランスをしっかり保つことが重要です。
皮膚炎を確認したら、速やかに獣医師の診断を受けてください。

寄生虫感染

野生捕獲個体(WC)である場合や、与えた昆虫エサから寄生虫に感染することがあります。
寄生虫に感染すると、体重減少や下痢、消化不良などの症状が現れます。
飼育繫殖個体(CB)の場合はあまり気にする必要はありませんが、定期的に便検査(動物病院で行う便の検査)を受けると安心ですね。

まとめ

ハイナントカゲモドキの飼育方法について解説しましたが、いかがだったでしょうか?

ハイナントカゲモドキの飼育は、適切な環境管理と日々の観察がキモです!
これを整えれば、初心者の方でも安心して、ハイナントカゲモドキを飼育することができると思います。
現在飼育されている方はより一層、ハイナントカゲモドキとの生活を楽しんでくださいね!

最後に、よくあるQ&Aをまとめましたので、こちらも参考にしてみてください。

それではまた、別の記事でお会いしましょう!

よくあるQ&A

Q1:レオパと比べて飼育難易度は高いですか?

レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)と比較すると、ハイナントカゲモドキは湿度管理が少し難しく、脱皮不全やカビなどに注意が必要です。しかし、飼育に必要な湿度や温度を正しく理解していれば難易度が極端に高いわけではありません。レオパと似た飼育手順が多く、初心者でもしっかり勉強すれば十分に対応できます。

Q2:長期留守にする時はどう管理すればいいですか?

数日程度なら、前日にエサを与え、水皿を清潔な状態にしておけば問題ありません。
湿度維持が不安であれば、自動噴霧器を導入するのも良いと思います。
1週間以上になる場合は、ペットシッターや信頼できる知人に定期的な餌やりとチェックをお願いするのが安全ですね。

Q3:餌は必ず生き餌じゃないとダメですか?

基本的には活餌がオススメですが、個体が食べるのであれば冷凍エサでも問題ありません。
トカゲやヤモリ、トカゲモドキは、動きに反応して捕食行動をとります。動かないエサも食べることがありますが、活餌であれば、本能的に捕食行動をとるため喰いつきは段違いです。

Q4:他のトカゲモドキと混在飼育は可能ですか?

別のケージであれば問題ありませんが、異なる種類のトカゲモドキを同じケージで混在させることは推奨されません。
縄張り争いによるケガ、ストレスや感染症のリスクが高まります。

Q5:脱皮不全が起こった場合、どうすればいいですか?

まずは湿度不足を疑い、霧吹きの頻度を増やしたり、ウェットシェルターを導入しましょう。
頻繁に起こる場合は、栄養状態の見直しが必要です。餌へのカルシウム添加やビタミン剤の使用、飼育環境を改めて確認してみることが大切です。

皮が残っている部分は、温浴させるか、ぬるま湯を含ませた綿棒などで軽くふやかして取りましょう。

Q6:日光浴は必要ですか?

夜行性のため、基本的には不要です。
しかし、体内でビタミンD3を合成するために弱い紫外線を点灯させている飼育者もいます。

自然環境を再現するなら、昼間に弱い紫外線ライトを導入するのもいいかもしれません。

Q7:ハンドリングは楽しめますか?

夜行性で神経質な面があるため、観察メインで楽しむほうがストレスが少ないです。
個体によっては慣れてくることもありますが、レオパードゲッコーほど、ハンドリング向きではありません。ハンドリングするのであれば、無理に触らず、少しずつ慣らすのがポイントです。