皆さまこんにちは!ひとしきです。
今回は「メキシカンブラックキングスネークの飼育方法」について解説していきます。
前回の記事では、飼育環境について解説しました。
今回は、実際に飼育を始める際に感じる疑問や不安を解消するべく、最適な餌と給餌方法、日常管理のポイントから病気の予防策までを詳しく解説します。
「正しい飼育方法に自信が持てない…」
「病気にならないか心配…」
そんな不安を解消できる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください!
飼育経験が浅くても、メキブラとの生活を安心して楽しめるようになりますよ!
メキシカンブラックキングスネークの生態についてはこちら!【メキシカンブラックキングスネークの生態】真っ黒ヘビの秘密に迫る!
購入前に確認したい、飼育環境についてはこちら!【メキシカンブラックキングスネークの飼育環境】理想の飼育環境とは?購入前に整える!ケージ準備から温度・湿度管理まで徹底解説!
よくあるQ&Aはこちら!【メキシカンブラックキングスネークのQ&A】初心者の疑問をすべて解決!メキブラ飼育でよくある質問集
メキシカンブラックキングスネーク(メキブラ)の基本情報
メキシカンブラックキングスネークの基本情報を簡単に挙げておきます。詳しい内容を知りたい方は、こちらの記事で解説しています【メキシカンブラックキングスネークの生態】真っ黒ヘビの秘密に迫る!
- 最大体長:約150cm(平均は100〜120cm程度)
- 食性:肉食性(場合によっては他のヘビも食べる)
- 生息域:メキシコ北西部の砂漠・半砂漠地域
- 活動時間帯:夜行性
- 寿命:15~20年
飼育環境準備チェックリスト

前回の最後にお伝えした、揃えておきたい飼育環境の必需品のチェックリストです。改めて、確認してみてください。
✅ 適切なサイズのケージ:60cm以上の横幅、通気性あり、脱走防止策付き
✅ 保温器具:ヒートマットまたは保温球など + サーモスタット
✅ 温度計・湿度計:ケージ内の異なる位置で温湿度管理
✅ 床材:新聞紙、アスペンシェービング、ヤシガラ土などいずれかを十分な量用意
✅ 隠れ家(シェルター):サイズ違いで2個以上、ケージの暖かい側と涼しい側に配置
✅ 水入れ:ヘビが浸かれる大きさ、安定したもの
✅ 照明器具:LED等、昼夜の明暗を作るためのライト。UVBは必要に応じて
✅ 掃除用品:ピンセットや使い捨て手袋、消毒スプレーなど清掃・衛生維持に必要なもの
あらかじめ揃えておくことで、メキブラを迎えた後に「足りない物があった!」と慌てることなく、スムーズにお世話を始められますね。
エサの種類と給餌方法

メキシカンブラックキングスネークの主なエサはマウスなどの小型哺乳類です。飼育下では冷凍マウスを解凍したものを与えるのが一般的で、これが最も手に入りやすく、栄養バランスも良いですね。
エサの種類とサイズ
ヘビの頭よりやや大きい程度の太さの獲物が適量と言われます。
幼蛇にはピンクマウス、成長に合わせてホッパーマウス、成蛇にはアダルトマウスと、ヘビのサイズに応じてエサのサイズを上げていきます。大型の成蛇には小さめのラット(ファジーラット)を与えるケースもありますが、基本的にはマウスで十分です。
給餌頻度
幼体期は成長が早いため5〜7日に1回程度、成体は10〜14日に1回程度が目安です。
個体差があり、季節(冬場は食欲が落ちることも)によっても変わるため、ヘビの体格や健康状態を見ながら調整しましょう。過度に与えすぎると肥満の原因になるので注意が必要です。
給餌の手順
冷凍マウスは必ず完全に解凍し、体温程度に温めます。内部まで温めることでヘビが興味を持ちやすくなり、消化も助けます。
素手で持つと噛まれる危険がありますので、ピンセットやトングを使いましょう。ヘビの目前で軽く揺すってやると、匂いと動きに反応して噛み付いてきますので、そのまま離します。飲み込むのに数分〜十数分かかりますので、静かに見守りましょう。
給餌場所
ケージ内で与える方法と、ケージとは別の容器(プラケース等)に移して与える方法があります。
ケージ内で与える場合は手間が少なく、ストレスも少ないですが、床材を一緒に飲み込まないよう注意が必要です。気になる場合は床材を新聞紙に変えるか、受け皿を敷いて給餌すると安心ですね。
別容器で与える方法は、床材の誤飲防止には有効ですが、その都度ヘビを移動させるストレスがあります。どちらの方法でも一長一短なので、自分とヘビに合った方法を選びましょう。
給餌後の注意
ヘビは一度に大量の食事をとった後、消化のためにしばらく静かにしている必要があります。
揺さぶられるとヘビが消化途中のエサを吐き戻してしまうのを防ぐために、給餌後48時間程度は、ハンドリングを控え安静にさせてください。温度も適切に保ち、ヘビが消化しやすい環境を整えてあげましょう。
餌については、栄養バランスと入手の容易さからマウス系を与え続ければ問題ありません。
上記以外のエサ(ウズラの雛やニワトリの卵など)を与える飼育者もいますが、偏りを避けるためおやつ程度に留めましょう。野生ではトカゲや他のヘビを食べますが、飼育下でそれらを与えるのは寄生虫リスクや危険が伴うため避けてくださいね。
飼育中に注意するべきポイントと対策

脱走防止
ケージの蓋や扉は確実にロックし、小さな隙間も見逃さないようにしましょう。ヘビは脱走の名人です。一度逃げ出すと見つけるのが大変なので、日頃から蓋の閉め忘れや劣化による隙間に注意しておきましょう。
温度管理の徹底
ケージ内が高温になりすぎたり低温になりすぎたりしないよう、サーモスタットで自動制御を行うことが望ましいです。特に冬場は保温切れに、夏場は直射日光で温度が上がりすぎることに注意してください。温度計を複数設置し、常に適温が保たれているか確認する習慣をつけておきましょう。
湿度と脱皮不全対策
過度な乾燥は脱皮不全を招きます。定期的にヘビの体色や目の濁りをチェックし、脱皮が近づいている時は湿ったミズゴケを入れた隠れ家を用意する、軽く霧吹きをするなどして湿度を一時的に高くしましょう。逆に湿度が高すぎる環境が続くと皮膚病の原因になるため、換気を良くするなど調整してください。
給餌後のハンドリング禁止
給餌直後のヘビはデリケートです。この時期に触ったり移動させたりすると、未消化のエサを吐き戻すことがあります。最低でも給餌後48時間はそっとしておき、消化が完了するまで見守りましょう。
ハンドリング時の注意
普段は大人しいメキブラでも、驚かせると噛むことがあります。ハンドリングはヘビが落ち着いている時に、ゆっくり優しく行いましょう。ヘビの体をしっかり支え、急な動きは避けます。また、事前に石鹸で手を洗い、マウスなど餌の匂いを手に残さないことも噛まれ防止に効果的です。
拒食への対処
成体のキングスネークは季節や環境の変化で餌を食べなくなることがあります。数週間程度の拒食なら慌てずに見守りましょう。環境温度を見直したり、餌のサイズや種類(ヒヨコを試すなど)を変えてみるのも手です。長期に渡る拒食や体重減少が著しい場合は、早めに爬虫類専門の獣医に相談してください。
過剰な餌やりに注意
ヘビは与えられるだけ食べてしまうことがあり、過度な給餌は肥満の原因となります。適切な頻度と量を守りましょう。健康的な体型は、胴体がなだらかな円筒形で肋骨が浮き出ず、かといって極端にくびれもない状態です。定期的に体重を測定して管理するのも有効です。
衛生管理とダニ予防
ケージ内を清潔に保つことで、多くの病気や寄生虫を予防できます。糞や尿は見つけ次第除去し、床材は定期交換、ケージも月1回程度は消毒清掃しましょう。新しい床材や流木を導入する際は、ダニが潜んでいないかチェックすること。飼育個体にダニが付着しているのを見つけたら、市販の爬虫類用ダニ駆除剤で駆除し、床材を全交換、ケージも隅々まで消毒します。
複数飼育はしない
キングスネークは共食いの可能性があるため、基本的に1匹につき1つのケージで飼育します。同じケージに2匹入れると、ストレスになるだけでなく、一方が他方を捕食してしまう事故も起こり得ます。また、エサの取り合いで誤飲事故が起こる危険もあります。たとえサイズ差があっても安心できないので、必ず単独で飼育しましょう。
罹患する可能性のある病気と対策

脱皮不全
正常ならば一枚の皮として脱げるはずの脱皮が部分的に体に残ってしまう状態です。特に尾先や眼に古い皮が残ることが多く、放置すると血行不良や視力障害を引き起こします。
原因は低湿度や栄養不良、ダニの寄生など様々ですが、対策としては湿度を適切に保つことと、脱皮不全が起きた際にはぬるま湯に浸して(温浴)柔らかい布で優しく擦り取るなどの処置を行います。
慢性的に脱皮不全を起こす場合、環境の見直しと獣医師の診察を検討してください。
口内炎
「口腐れ病」とも呼ばれる、口腔内の感染症です。初期症状は食欲不振や口周りの腫れ、ヨダレの増加などで、進行すると口内にチーズ状の膿が溜まり、口を閉じられなくなることもあります。
原因はケガ(餌を噛み損ねて口内を傷つける等)や不衛生な環境による細菌感染です。対策として、早期ならば口内の消毒と抗生物質の投与で治癒が可能ですので、異変に気づいたらすぐに爬虫類に詳しい獣医師に相談しましょう。
予防のためには、ケージを清潔に保ち、餌サイズを適切にして口内に傷をつけないようにすることが重要です。
呼吸器感染症
気温が低すぎたり、ケージ内が不衛生で細菌が繁殖すると、肺炎などの呼吸器系の病気にかかることがあります。症状は口を開けて呼吸する、鼻水や泡を吹く、呼吸時にピューピュー・ゼーゼーと音がするなどです。
放置すると衰弱し命に関わるため、早急な保温と抗生物質治療が必要です。疑わしい症状が出たらすぐに温度を適正範囲の上限付近まで上げて体力低下を防ぎ、速やかに獣医師の診察を受けてください。
予防策としては、夜間も過度に温度を下げない、定期的に換気を行う、床材を清潔にするなど、環境管理を徹底することが挙げられます。
外部寄生虫(ダニ感染)
ヘビに寄生するダニは、体表に食いついて血を吸い、貧血やストレスの原因となります。ヘビが頻繁に水入れに浸かるようになったり、小さな黒や赤のゴマ粒状の虫が体やケージに見える場合はダニ感染を疑いましょう。
対策として、まず体表についたダニを取り除きます。市販の爬虫類用ダニ駆除スプレーを使ったり、ダニが付着した部分を薄めた消毒用アルコールで拭く方法があります。この際は、目や口に入らないように注意しましょう。同時にケージ全体を清掃・消毒し、床材も全交換します。
ダニの卵が残っていると再発するため、数週間は経過観察し、再度見つけたら駆除を繰り返します。新しい生体を迎える際は既存の個体と離れた場所で数週間様子を見る(隔離飼育する)ことでダニの持ち込みを予防できます。
内部寄生虫(消化管寄生虫)
蠕虫などの内部寄生虫に感染すると、下痢、体重減少、食欲不振、嘔吐などの症状が現れることがあります。原因としては、野生採集個体を迎えた場合や、感染した餌(例えば野生のトカゲやマウス)を与えた場合などに寄生虫が持ち込まれるケースが考えられます。
対策として、定期的に糞便検査を行い、寄生虫の卵や成虫がいないかチェックすることが有効です。もし寄生虫が検出された場合、獣医師の指導のもと適切な駆虫薬を投与して駆除します。また、そうした個体は治療中他のペットと隔離し、糞便の処理後は手洗い・消毒を徹底しましょう。
予防策として、信頼できる施設で繁殖された個体を迎える、野生の餌生物は与えない、といったことが挙げられます。
まとめ
メキシカンブラックキングスネークの飼育方法について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
メキブラは飼いやすいと言われますが、正しい方法を知ってこそ、その魅力を最大限楽しめます。飼育中に困ったことや疑問が出てきたときは、飼育環境や注意点などを振り返り、基本を確認してください。また、異変に気づいたら早めに対処することで大事に至るのを防げます。
ヘビとの生活は長期にわたるものです。焦らずじっくりと知識と経験を積み重ね、メキブラとの絆を深めていってくださいね。
メキシカンブラックキングスネークの生態についてはこちら!【メキシカンブラックキングスネークの生態】真っ黒ヘビの秘密に迫る!
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