皆さまこんにちは!ひとしきです。
今回は「メキシカンブラックキングスネークの飼育環境」について、解説してきます。
メキシカンブラックキングスネークをお迎えするなら、まずは万全な飼育環境を整えることが大切です。お迎えした後に慌てることがないよう、しっかりと準備しておきたいですよね。
本記事では、購入前に知っておきたい飼育環境の重要ポイントを丁寧に解説します。
「お迎えすることに決めた!準備はどうすればいい?」
「ヘビの飼育環境って何から整えればいいの?」
そんな疑問を解決できる内容となっております!
準備万端でお迎えすれば、その後の飼育もスムーズ!ケージの大きさや温度管理、床材の種類…ひとつひとつ適切に選ぶことで、ヘビにとっても飼い主にとっても快適な飼育が可能になります。
「知らなかった…」では済まされない環境設定のコツをお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください!
メキシカンブラックキングスネークの生態についてはこちら!【メキシカンブラックキングスネークの生態】真っ黒ヘビの秘密に迫る!
具体的な飼育方法についてはこちら!【メキシカンブラックキングスネークの飼育方法】飼育で押さえるべき注意点まとめ!正しいお世話とトラブル対処法について解説
よくあるQ&Aはこちら!【メキシカンブラックキングスネークのQ&A】初心者の疑問をすべて解決!メキブラ飼育でよくある質問集
メキシカンブラックキングスネーク(メキブラ)の基本情報
メキシカンブラックキングスネークの基本情報を簡単に示しておきます。詳しく知りたい方は、リンクから確認してみてください!【メキシカンブラックキングスネークの生態】真っ黒ヘビの秘密に迫る!
- 学名:Lampropeltis getula nigrita
- 最大体長:約150cm(平均は100〜120cm程度)
- 食性:肉食(主にマウスなどの小型哺乳類を捕食)
- 生息域の特徴:乾燥した半砂漠・荒野地帯(岩場や砂地が多く、昼夜の寒暖差が大きい環境)
- 活動時間帯:夜行性(夜間に活動し、日中は隠れて過ごす)
ケージの選択

伸び伸びと過ごせる空間を作る
- サイズ:最低 幅60㎝×奥行45㎝×高さ30㎝ 理想は幅90㎝
- 通気性が確保されており、逃亡防止がしっかりしているケージを選択する
材質はガラス製の爬虫類用ケージやプラスチック製のケース、木製ケージなど様々
- ガラスケージ:観察しやすく保温もしやすい反面、重量があります。
- プラスチックケース:軽量で保温性も高く管理しやすいですが、鑑賞性はやや劣ります。
- 木製ケージ:断熱性に優れ大きなサイズも自作しやすいですが、防水加工が必要です。
メキブラは成体で1mを超えるため、最低でもヘビの体長の半分〜3分の2程度の長さ(目安として横幅60〜90cm以上)のケージが望ましいとされています。高さよりも床面積が重要で、奥行きも30〜45cm以上あると十分な動き回るスペースを確保できます。
ケージ上部や側面に通気口があって適度に空気の流れができるものが理想で、湿気や匂いがこもらず、カビの発生も抑えられます。
また、脱走防止はヘビ飼育の鉄則です。ケージの蓋や扉には確実なロックができるものを選び、ヘビが隙間から抜け出さない構造であることを確認してください。キングスネークは特に細い隙間にも頭を突っ込んで逃げ出そうとする巧みさがあるため、網蓋のクリップ留めや鍵付き扉などでしっかり対策をしましょう。
大きすぎるケージは管理が大変になることもありますので、成長に合わせてケージサイズをステップアップさせる方法も良いでしょう。例えば、ベビーのうちは小さめのプラケースで管理し、落ち着いてきたら最終的な大きさのケージに移すと、ヘビも環境に慣れやすく飼育者も観察・管理しやすいと思います。
床材の選択

メキブラは乾燥地域に生息していますが、極端な乾燥や湿気の蓄積は避けたいところです。以下に、代表的な床材の種類と特徴を紹介します。
キッチンペーパー・新聞紙
初心者にもおすすめの床材です。扱いやすく安価で、汚れてもすぐに交換できます。特に幼蛇の時期や健康管理が必要な時(糞や尿の量・状態をチェックしたい場合)に重宝します。
ただし見た目の自然感は無く、ヘビが潜る行動はできません。
アスペンシェービング(木の削り粉)
ペットショップなどで市販されるヘビ用チップの定番です。乾燥した木材チップで吸湿性があり、適度に糞尿の湿気を吸収してくれます。メキブラが潜り込んで隠れる行動もとりやすく、自然な雰囲気を演出できます。
ただし、給餌の際に餌と一緒にチップを飲み込まないよう注意が必要です。気になる場合は、餌やり時だけ別容器に移しましょう。
ヤシガラ土・爬虫類用マット
ヤシ殻を砕いた土や、ウールマット、人工芝(爬虫類カーペット)なども選択肢として挙げられます。
ヤシガラ土は保湿性があり、適度な湿度を保ちたい場合に役立ちます。ただし湿度が高すぎる環境はメキブラには不要なので、部分的に湿らせた床材を置く程度に留め、全体はやや乾燥気味に保つと良いでしょう。
人工芝マットは洗って繰り返し使える点が利点ですが、ヘビが潜り込めないため落ち着けるよう別途隠れ場所の配慮が必要です。
その他
自然環境に砂地が多いからといって、砂そのものを床材に使うのは推奨されません。細かい砂粒はヘビの消化管に入ると詰まりの原因になる可能性があり、また清掃もしづらいです。見た目を重視する場合でも、砂よりは粗めのチップや土壌系の床材で代用する方が安全です。
床材の厚さはヘビが潜り込める程度(数cm程度)敷いてあげると、より安心して過ごせるでしょう。
床材はいずれを使用する場合でも、清潔さを保つことが大前提です。定期的に汚れた部分を取り除き、必要に応じて全交換や床材の入れ替えを行いましょう。メキブラはそこまで強い臭いを発しませんが、糞尿が蓄積すると臭気の原因になってしまいます。月に一度程度はケージ丸ごとの大掃除(床材全交換とケージ内部の消毒)を行い、清潔な環境を維持したいですね。
シェルターとレイアウト

シェルター
ヘビを飼育する上で、隠れ家(シェルター)の設置は不可欠です。
メキブラは臆病な面も持つため、狭く暗い空間があるとストレスなく過ごせます。市販の爬虫類用シェルター(洞窟型の隠れ家やシェルターBOX)を利用するのがおすすめですが、代用として小さなダンボール箱やプラスチック容器に出入口を開けたものでも問題ありません。
ケージの暖かい側(ホットスポット付近)に1つ、反対の涼しい側に1つ、と最低2ヶ所は隠れ家を用意してあげましょう。こうすることで、ヘビは体温調節をしながら好きな場所に隠れることができます。
シェルターのサイズは、ヘビが体を丸めて入れる程度の“ジャストサイズ”が落ち着くと言われています。広すぎるよりは、体に触れるくらいの狭さがある方が安心する個体が多いようです。定期的に成長に合わせて大きさを見直し、窮屈そうであれば一回り大きな隠れ家に交換してあげましょう。
レイアウト
レイアウト全体としては、シェルター以外にも環境を豊かにする装飾を加えると良いと思います。
例えば、流木や枝を入れてあげるとヘビが登ったりくぐったりして運動できますし、見た目にも自然に近い雰囲気になります。メキブラは基本地表性ですが、低い木に登ることもあるので、直径5cm程度の太めの枝を斜めに配置すると良い運動場になります。また、人工の観葉植物や葉っぱで陰になる場所を作れば、隠れ家以外にも身を隠せるポイントが増え、ヘビの心理的安心につながります。
注意点としては、レイアウト用品は安定した配置にすることです。ヘビが動いた拍子に流木や石が倒れて挟まれる事故が起きないよう、重いものは直接置くのではなく、床材に埋め込むか、固定しておきましょう。
レイアウトは凝りすぎると掃除がしづらくなるため、汚れやすいものは取り出しやすく、全体もメンテナンスしやすい配置にしておくことが長く清潔を保つコツです。
温度と湿度

温度
- ホットスポットは、28〜30℃程度
- クールスポットは、22〜25℃程度
自分で体温を調節できるよう、ケージの一方を暖かく(ホットスポット)、反対側を涼しく(クールスポット)なるように環境を設定し、ケージ内に温度の勾配を作ってあげましょう。
ホットスポットは、28〜30℃程度を目安にします。これは日中にヘビが体を温め消化や代謝を促進するのに必要な温度帯です。一方、反対側の涼しい部分は22〜25℃程度に保ち、ヘビが暑すぎる時に移動できるようにします。
夜間は全体的に少し温度が下がっても問題ありませんが、最低でも20℃前後は維持しましょう。それ以下になると消化不良や免疫力低下の恐れがあります。
一般的には、ケージの片側下面にパネルヒーター(加温マット)を敷き、サーモスタットで制御する方法が使われます。ヘビが直接触れないよう、パネルヒーターはケージ外側の底面に貼り付けるか、断熱材を敷いた上でケージ内に設置してください。上から照らすバスキングライト(スポットライト)を使用する場合は、局所的な加温ができますが、夜間は消灯するなど昼夜の区別をつける必要があります。
湿度
- 40〜60%程度
メキシコの乾燥地帯原産ということもあり、メキブラは高湿度を必要としません。
日本の気候では、梅雨や夏場には湿度が高くなりすぎることがあるため、適宜換気を行ったり、乾燥した床材を使うことで調整します。逆に空気が乾燥する冬場は、暖房によって湿度が下がりすぎることもあるため、水入れを大きめにしたり、必要に応じてケージ内を軽く霧吹きするなどして40%程度を維持すると良いでしょう。
特に注意が必要なのは、脱皮前後の湿度管理です。ヘビは脱皮前に目が白濁し体色がくすむ「ブルー」と呼ばれる状態になりますが、この時適度な湿度がないと脱皮不全を起こすことがあります。対策として、湿ったミズゴケを入れたシェルター(ウェットシェルター)を用意し、ヘビ自身が乾燥を感じた時にそこに入って皮膚を潤せるようにしてあげると安心です。脱皮が終わった後は、再び通常の湿度に戻すようにします。
温度・湿度管理には必ず温度計と湿度計を設置し、日々チェックしましょう。デジタル式のものなら一目で確認でき、センサーをホットスポット側とクールスポット側の両方に設置すれば、温度勾配の確認も容易ですね。
給水設備

メキブラのケージには、必ず『水入れ』を設置しましょう。
水入れの大きさは、ヘビが体を浸せるくらいの容器が理想です。特にメキブラは乾燥地帯の出身ではありますが、時折水に浸かることで体温調節や脱皮の助けにすることがあります。全身が入れるサイズの容器なら、ヘビ自身が必要に応じて水浴びを行うことができます。
水入れは安定性の高いものを選びましょう。軽すぎる器だと、ヘビが下に潜り込もうとして水をこぼしてしまうことがあるため注意が必要ですね。設置場所はケージ内の涼しい側に置くのが一般的です。暖かい側に置くと水温が上がってしまったり、蒸発して、湿度が過剰に高くなる場合があるためです。ただし、湿度が不足しがちな環境ではあえて温かい側に置いて蒸発を促すこともあります。
飲み水は最低でも毎日〜2日に1回は交換し、常に清潔に保ちます。ヘビは水入れで糞や尿をしてしまうことも珍しくありません。その場合はすぐに水を捨て、容器を洗浄・消毒してから新しい水を入れてください。水道水をそのまま使って問題ありませんが、もし気になる場合は、塩素を抜いてから使用してください。
水はメキブラの健康維持と体調管理の基本ですので、清潔に保ち、切らさないよう注意しましょう。
紫外線ライトの必要性

メキシカンブラックキングスネークを含む多くのヘビは、トカゲのように明るい日光下で生活することが少ないため、結論から言えば、必須ではありませんが、あれば望ましいという考えもあるという位置づけです。
ヘビは一般的に、カルシウム代謝に必要なビタミンD₃を餌(マウスなど)の中から摂取できるため、紫外線を浴びて体内合成する必要性が高くありません。そのため、長年ヘビ飼育ではUVBライトなしでも繁殖・長期飼育の成功例が多く報告されています。メキブラも例にもれず、必ずしも紫外線照射をしなくとも飼育は可能です。
しかし近年では、紫外線ライトを設置すると昼夜の区別がより明確になり、ヘビの健康や行動に良い影響を及ぼす可能性が示唆されています。自然環境下で全く日光を浴びないわけではないため、ごく低照度(UV指数2.0程度以下)のUVBライトを1日数時間当ててあげることで、微量ながらビタミンD₃合成を促し、骨や体調の維持をサポートできるかもしれません。
UVBライトを使用する場合は、ヘビが直接光を浴びられるエリアと、光を避けて陰に入れるエリアの両方を用意してください。ライトはケージ上部に設置し、ヘビとの距離や照射角度に注意します(近すぎると熱を発しすぎたり強いUVBが当たりすぎるため)。
UVB蛍光灯やLEDには種類(2.0、5.0、10.0など強度の指標)があるので、最も弱い部類(2.0程度)を選ぶと良いでしょう。
UVBライトなしでも飼育自体は問題なく可能です。ただ、日中は明るく夜は暗くという自然のリズムを再現するために、UVBでなくとも照明(LEDライト等)を昼間つけ、夜に消灯する習慣はつけておくのがおすすめです。照明のオンオフはタイマーを使うと毎日自動で管理できて便利です。
飼育環境のチェックリスト

最後に、お迎えにあたって揃えておきたい飼育環境の必需品をチェックリスト形式でまとめます。購入前に以下のリストを確認し、不足がないかチェックしてください。
✅ 適切なサイズのケージ:60cm以上の横幅、通気性あり、脱走防止策付き
✅ 保温器具:ヒートマットまたは保温球など + サーモスタット
✅ 温度計・湿度計:ケージ内の異なる位置で温湿度管理
✅ 床材:新聞紙、アスペンシェービング、ヤシガラ土などいずれかを十分な量用意
✅ 隠れ家(シェルター):サイズ違いで2個以上、ケージの暖かい側と涼しい側に配置
✅ 水入れ:ヘビが浸かれる大きさ、安定したもの
✅ 照明器具:LED等、昼夜の明暗を作るためのライト。UVBは必要に応じて
✅ 掃除用品:ピンセットや使い捨て手袋、消毒スプレーなど清掃・衛生維持に必要なもの
以上を揃えておけば、メキブラが快適に暮らせる環境はほぼ完成です。まずは住環境を万全に整え、いつでもお迎えできる準備をしておきましょう。
まとめ
メキシカンブラックキングスネークの飼育環境について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
飼育環境をしっかり整えることは、メキシカンブラックキングスネークとの生活をスムーズに始めるためのキモです。ケージや温度管理、隠れ家など、一つひとつのポイントを押さえて準備することで、ヘビは新しい環境にすぐ適応しストレスなく過ごせます。
また、飼い主にとっても管理が容易になり、トラブルを未然に防ぐことができます。ぜひ購入前にもう一度チェックリストを確認し、完璧な環境を用意してメキブラを迎えてあげてください。万全の環境でスタートすれば、あとはヘビとの暮らしを存分に楽しむだけです!
メキシカンブラックキングスネークの生態についてはこちら!【メキシカンブラックキングスネークの生態】真っ黒ヘビの秘密に迫る!
具体的な飼育方法についてはこちら!【メキシカンブラックキングスネークの飼育方法】飼育で押さえるべき注意点まとめ!正しいお世話とトラブル対処法について解説
よくあるQ&Aはこちら!【メキシカンブラックキングスネークのQ&A】初心者の疑問をすべて解決!メキブラ飼育でよくある質問集