皆さまこんにちは!ひとしきです。
今回も「爬虫類展示即売会で見かけた爬虫類を一挙解説!」と題して、それぞれの種類について、簡単に解説していきます。
よく知られたものから珍しいものまで、いろいろな爬虫類に出会えるのが展示即売会の魅力ですよね。
「こんな種類も販売されているんだ」
と、驚くこと間違いなし!
今回はオオトカゲ・イグアナ編です!
気になる生体があれば、ぜひその生態や飼育方法を調べてみてくださいね。
アフリカンロックモニター(Varanus albigularis)

基本情報
- 最大体長: 約150〜200cm
- 寿命: 約15〜20年
- 食性: 肉食性で、昆虫、爬虫類、小型哺乳類、鳥類、卵などを食べる
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: サハラ以南のアフリカのサバンナや草原、半乾燥地帯に生息
見た目の特徴
灰褐色の地色に暗色で縁取られた明るいスポット模様が背面に並び、地域や亜種によって体色や模様に差があります。頭部は幅広く、短く見える顔立ちが特徴的。喉の色が異なる亜種には「ノドジロオオトカゲ」「ノドグロオオトカゲ」などの別称があり、長く頑丈な尾を武器や移動手段として活用します。
行動学的特徴
昼間は非常にアクティブで、広い範囲を探索します。ストレスや警戒心が強い個体は「テールアタック」や口を開けて威嚇することも。飼育下で慣れると温和になるケースが多く、日光浴を好むため、バスキングスポットで長時間過ごします。
まとめ
アフリカンロックモニターは大型で迫力がありながら、飼い込むと人に慣れやすい魅力的なトカゲです。ただし、飼育設備やコストは小型種とは段違いなので、十分な準備と覚悟が大切です。
サバクハリトカゲ(Sceloporus magister)

基本情報
- 最大体長: 18~30cm
- 寿命: 5~10年
- 食性: 動物食の強い雑食性(主に昆虫、補助的に花や葉など)
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: 北アメリカ南西部やメキシコ北部の砂漠地帯や乾燥した草原地帯に生息。標高1800m程度までの岩場や荒地を好む
見た目の特徴
背中にトゲ状の鱗が並び、砂漠環境に溶け込む保護色を持つ。オスは腹部や喉に青い斑点があるなど、繁殖期には目立った特徴が出る。
行動学的特徴
オスは縄張りを主張するため、「腕立て伏せ」のような動作で威嚇やアピールを行います。日光浴が好きで、早朝や夕方に活発に動きます。危険が迫ると岩の隙間や地中に隠れる素早さは見事。
まとめ
砂漠に適応したトゲ状の鱗やカモフラージュが魅力的。比較的丈夫で飼いやすいので、観察していても楽しめる種類です。
サルバトールモニター(Varanus salvator)

基本情報
- 最大体長: 200~250cm
- 寿命: 15~20年(適切な飼育環境が整えば25年以上生きる)
- 食性: 肉食性(小型哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫、甲殻類)
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: 東南アジア全域(タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピンなど)に分布し、川や湖の周辺、湿地、マングローブ林などの水辺を好む
見た目の特徴
「ミズオオトカゲ」という別名がある通り、水辺での生活に適した大型トカゲ。尾が長く推進力に優れ、全長2mを超える個体も珍しくありません。黒や暗褐色の体に黄色や白の斑点・縞模様が入るのが一般的です。
行動学的特徴
水中を巧みに泳ぎ、潜水も得意。野生では死骸も食べるスカベンジャーとしての役割も担っています。警戒心が強い個体は威嚇やテールアタックが激しいですが、飼育下で慣れるケースもあります。ただし大型ゆえの力があり、広い環境と注意が必須です。
まとめ
サルバトールモニターは水辺での生活に最適化され、迫力・適応力ともに抜群。飼育にあたっては巨大化することや水場の確保など、大きな設備が必要になるので慎重に計画しましょう。
サンドモニター(Varanus gouldii)

基本情報
- 最大体長: 約120~160cm(尾が体長の半分以上)
- 寿命: 約10~15年
- 食性: 昆虫から小型哺乳類までを捕食する肉食性
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: 主にオーストラリアの乾燥地帯や半乾燥地帯に生息。砂地や岩場、低木地帯などで見られ、地中に巣穴を掘って生活することが多い
見た目の特徴
黄褐色や灰褐色をベースに、黒っぽい斑点や縞模様が砂漠のカモフラージュとなっています。尾には特に目立つ縞模様が多く、体は筋肉質で四肢も強靭。
行動学的特徴
巣穴を掘り、そこに身を隠す習性があります。砂地に特化した行動と体色は、捕食者から身を守るための戦略。危険を感じると尾を振り回したり、素早く地中に逃げ込むこともあります。
まとめ
乾燥地帯への適応が際立つオオトカゲ。飼育下でも比較的丈夫とされますが、大型ケージや高温・乾燥状態の管理が求められるため、中~上級者向けといえるでしょう。
ノギハラバシリスク (Basiliscus vittatus)

基本情報
- 最大体長: 約50~80cm(尾が体長の半分以上を占める)
- 寿命: 約5~10年
- 食性: 昆虫・小型爬虫類・小型哺乳類・果実・花などを食べる雑食性
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: メキシコから中央アメリカ、コロンビア北西部にかけての熱帯雨林や水辺の森林に生息
見た目の特徴
茶色い体色に白や黄色の縦縞。オスの頭頂部には大きなクレストがあり、背中から尾にかけて帆のような突起が発達。細長い体と非常に長い尾が特徴です。
行動学的特徴
「キリストトカゲ」の別名を持つように、後肢だけで水上を走り、危険が迫ると水に飛び込みます。樹上生活を好みますが、地上でも活動し、雑食性なので果実なども食べられます。
まとめ
水上を走るユニークさが目を引くノギハラバシリスク。鮮やかなクレストや樹上性の生活など観察ポイントが多いトカゲです。飼育には高温多湿環境と広い縦方向のスペースが必要になります。
バナナスパイニーテールイグアナ (Ctenosaura pectinata)

基本情報
- 最大体長: 最大約120cm
- 寿命: 15年~20年
- 食性: 主に葉、花、果物、昆虫、節足動物、卵などを食べる雑食性
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: メキシコを中心としたアメリカ南部からメキシコにかけて分布し、乾燥した岩場や木の上で生活する。
見た目の特徴
幼体は緑色で、成長すると褐色や黒褐色の地に黄色やオレンジの斑点が入ります。名前の通り、個体によっては全身が黄色に近くなることも。尾の棘状の鱗が印象的で、体型は筋肉質。
行動学的特徴
危険を感じると尾を振り回し、素早く岩陰や木の上に逃げる防御行動を取ります。基本的に単独行動を好みますが、繁殖期にはオス同士で縄張り争いを行うことも。樹上での日光浴もよく見られます。
まとめ
鮮やかな黄色の体色から「バナナスパイニー」の愛称でも知られるイグアナ。比較的大型なため、飼育には広めのケージと十分な温度管理が重要です。
ブラックツリーモニター (Varanus beccarii)

基本情報
- 最大体長: 約90~120cm(尾が体長の大部分を占める)
- 寿命: 飼育下で10年以上(野生下での寿命は不明)
- 食性: 昆虫、節足動物、小型爬虫類、小型哺乳類、鳥のヒナや卵などを捕食する肉食性
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: インドネシアのアルー諸島に固有で、湿度の高い熱帯雨林やマングローブ林に生息。完全に樹上性で、地上に降りることはほとんどない。
見た目の特徴
漆黒の鱗を持ち、幼体は斑点があることもありますが、成長すると全身が黒くなります。尾はとても長く、樹上でのバランスを取るのに重要。
行動学的特徴
ほとんど樹上から降りず、木の上を器用に移動します。危険を感じると尾を振り回し、素早く上方へ逃げるほど神経質な傾向。飼育下でも人馴れしにくい個体が多いといわれます。
まとめ
漆黒の美しさと独特の生態が際立つ樹上性モニター。非常に繊細で神経質なため、飼育には高度な知識や飼育環境の整備が必要になる種類です。
ブルーイグアナ (Cyclura lewisi)

基本情報
- 最大体長: 約120~180cm(オスがメスより大型化しやすい)
- 寿命: 約10~15年
- 食性: 主に草食性(葉野菜や果物)。幼体期は昆虫を食べることも
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: ケイマン諸島の乾燥した森林や岩場に生息。樹上や地上で生活し、環境に応じて柔軟に適応する
見た目の特徴
鮮やかな青い体色が最大の魅力で、オスは特に色が濃く出る傾向があります。全身には硬い鱗と背中のクレストがあり、体格は力強い印象。
行動学的特徴
鮮やかな青い体色が最大の魅力で、オスは特に色が濃く出る傾向があります。全身には硬い鱗と背中のクレストがあり、体格は力強い印象。
まとめ
ブルーイグアナは目を引く美しさと、比較的穏やかな性質をあわせ持つ大型イグアナ。飼育下では十分な広さと植物中心の餌、高温環境を整えることが重要です。
ブルーテグー (Salvator sp.)

基本情報
- 最大体長: 90~120cm(尾の長さを含む)
- 寿命: 10~20年程度
- 食性: 昆虫や小動物、果物、野菜などをバランスよく食べる雑食性
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: 南米(アルゼンチン、パラグアイ、ブラジルなど)の森林や草原に生息し、湿度の高い環境を好む地上性
見た目の特徴
青白い体色が最大の特徴。成長につれて青みが増し、光の当たり方によって美しい輝きを見せます。頭部や頬が幅広く、筋肉質の体格。
行動学的特徴
知能が高く、飼い主を認識する個体も多いため「犬のようなトカゲ」とも呼ばれます。昼行性で活動的、穴を掘る習性もあり、広い床面積と適度な湿度管理が必要です。
まとめ
ブルーテグーは青みがかった独特の色彩と高い知能が魅力の大型トカゲ。穏やかな性格の個体も多く、ハンドリングを楽しめることから人気がありますが、大型種ゆえの設備・スペースはしっかり確保する必要があります。
まとめ
今回はオオトカゲ・イグアナの種類に限定してご紹介しました。アダルト個体が売られていることもあれば、ベビーが販売されているケースもあり、大型になるトカゲは成長後のサイズや飼育環境を事前によく考えることが重要です。
特にサルバトールモニターのように、スペースだけでなく水場も要求される種類は、「飼いきれない」とならないよう相応の覚悟と設備の準備が必要ですね。
爬虫類の展示即売会はほぼ毎月どこかで開催されており、近所のショップでは見かけないレア種にも出会える貴重なチャンス。興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
それでは、また別の記事でお会いしましょう!