皆さまこんにちは!ひとしきです。
今回も「爬虫類展示即売会で見かけた爬虫類を一挙解説!」と題して、それぞれの種類について、簡単に解説していきます。
よく知られたものから珍しいものまで、いろいろな爬虫類に出会えるのが展示即売会の魅力ですよね。
「こんな種類も販売されているんだ」
と、驚くこと間違いなし!
今回はカメレオン編です!
ぜひ気になる生体について、覗いてみてくださいね。
カメレオンといえば! 共通する特徴
カメレオンの種類は共通して、以下のような特徴を持っています。
📌 色の変化
周囲への擬態だけでなく、威嚇や求愛などの感情表現としても使われる。
同じ種類でも場面によって色合いがガラリと変わる。
📌 独立可動の目
左右の目を別々に動かせる。
360度近い視野を持ち、身を隠しながらでも周囲の状況をしっかり把握できる。
📌 フラップを持つ
頭部にある可動性の皮膚のひれ。威嚇やコミュニケーションに使用する。
📌 長い舌による捕食
体長の1.5倍前後の舌を伸ばして獲物を捕らえる。
油断している昆虫を一瞬で捕まえる芸当は見もの。
📌 樹上生活に適応した体
指が鉗子(クランプ)状になっており、枝を掴みやすい。
尾も巻き付けられるタイプで、バランスを取りながら移動する。
これらは全種に共通するため、各種の解説では重複を避けています。
エボシカメレオン(Chamaeleo calyptratus)

エボシカメレオン(学名:Chamaeleo calyptratus)は、アラビア半島南西部のイエメンやサウジアラビアに生息するカメレオンの一種で、その独特な外見と生態からペットとしても人気があります。
基本情報
- 最大体長: オスは最大65cm、メスは最大45cm程度
- 寿命: 5~8年
- 食性: 主に昆虫を捕食するが、小型の鳥やトカゲ、果物や野菜も食べる雑食性
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: 標高1000~2500mの高地森林や乾燥地帯など幅広く適応。特に植物の少ない場所から高山地帯まで生息域が広い。
見た目の特徴
頭頂部の大きな突起が最大の特徴。平安時代の烏帽子(えぼし)に似ていることからこの名がつきました。突起はオスのほうが大きく発達し、体温調節や朝露を集める役割があるともいわれます。
体色は緑を基調に、オレンジ、黄色、褐色、白などの帯模様が入る個体も。環境や感情によって色合いが変化し、リラックス時は明るめ、警戒時は暗めの色合いになりがちです。四肢は長く、指が鉗子状で枝をしっかり掴み、尾は巻き付けてバランスを取るのに使います。
行動学的特徴
体色変化は擬態だけでなく、感情や体調の変化を示すためにも使われます。怒っているときやストレスを感じると鮮やかになり、落ち着いているときは淡い色味に。
獲物を捕らえる際は、体長の1.5倍ほどある舌を一瞬で伸ばして小型動物を捕獲。外敵に対しては体を膨らませ、色を派手にして威嚇することもあります。オスは縄張り意識が強いため、飼育下でオス同士を同居させるのは難しいです。
まとめ
エボシカメレオンは大きな突起と派手な体色変化が魅力的。観察しているだけでも飽きませんが、デリケートな面があり、飼育には適度な温湿度管理が欠かせません。
ショートホーンカメレオン (Calumma brevicorne)

ショートホーンカメレオン (Calumma brevicorne) は、マダガスカルに生息する中型のカメレオンで、カルンマ属に分類されます。その特徴的な外見と生態から、カメレオン愛好家に人気のある種です。
基本情報
- 最大体長: 約30~35cm(オスがやや大きめ)
- 寿命: 飼育下では約5~8年
- 食性: 主に昆虫を捕食する肉食性
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: マダガスカル東部の湿潤な熱帯雨林に生息。高い湿度や比較的涼しい気候を好む。
見た目の特徴
頭部の両側にあるフラップと、オスの鼻先にある小さな角が最大の特徴です。角の大きさや形状は個体差があり、オスの識別にも役立ちます。通常は緑色を基調とし、環境や気分で体色を変化。オスの鼻先が赤みがかったり、メスが妊娠すると体が黒っぽくなったりと、変化が楽しめる種類です。
行動学的特徴
基本は樹上生活で、枝に尾を巻き付けて安定して移動します。危険を感じるとフラップを広げて体を大きく見せたり、体色を変えて威嚇することも。獲物の捕食には長い舌を伸ばし、正確に虫を捕らえます。
まとめ
ショートホーンカメレオンはマダガスカルの湿潤な森林に適応した中型のカメレオン。頭部の角とフラップが大きな魅力で、適切な湿度や温度管理を行えば飼育下でもその行動を楽しめます。
セラータスカメレオン(Trioceros serratus)

セラータスカメレオン(Trioceros serratus)は、カメルーンを中心としたアフリカの森林地帯に生息する小型のカメレオンです。
基本情報
- 最大体長: 約20~25cm(尾が半分以上を占める)
- 寿命: 約5~8年
- 食性: 主に昆虫を捕食する肉食性
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: カメルーンの湿潤な森林地帯に生息。高い湿度と温暖な環境を好む
見た目の特徴
鮮やかなグリーンを基調とした体色で、個体によってはピンクやブルーのスポットが散在する場合も。背中には波打つように並ぶクレスト(突起)があり、オスでは特に発達します。頭部は尖り気味で、カメレオン独特の立体視を支える目が特徴的です。
行動学的特徴
ほぼ完全に樹上で生活し、ゆっくり動いて擬態を活用。強力な足と長い尾で枝を掴み、バランスを保ちます。獲物を捕らえるときは舌を瞬時に伸ばして仕留めます。単独行動を好み、繁殖期になるとオス同士がクレストを立てて威嚇し合うことも。
まとめ
セラータスカメレオンは小型ながら色彩豊かで、樹上生活に特化した面白い行動を見せるカメレオンです。飼育時は高い湿度と温度を維持する必要がありますが、その分観察の楽しみは大きいでしょう。
パンサーカメレオン(Furcifer pardalis)

パンサーカメレオン(学名:Furcifer pardalis)は、マダガスカル島を中心に生息するカメレオンの一種で、その鮮やかな体色と独特な生態から非常に人気の高い爬虫類です。
基本情報
- 最大体長: オスは最大52cm、メスは約30cm
- 寿命: オス 6~8年、メス 2~5年ほど
- 食性: 主に昆虫を捕食し、葉や果実を補助的に摂取することもある
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: マダガスカル島北部・東部の熱帯雨林に多く生息。湿度の高い環境を好む。
見た目の特徴
地域(モルフ)ごとに大きく異なるカラーバリエーションが見所。青、緑、赤、黄色、オレンジなど非常に多彩で、オスは縄張り争いや求愛時に最も鮮やかな色を出します。丸みのある体型をしており、長い尾と鉗子状の指で樹上を移動。頭部には小さなとさか状の突起があります。
行動学的特徴
体色変化は擬態だけでなく、威嚇や求愛などのコミュニケーション手段としても使われます。オス同士が出会うと鮮やかに発色して威嚇。危険を察知すると地味な色合いにして隠れようとします。強い縄張り意識を持つため、飼育下でのオス同士の同居は推奨されません。
まとめ
パンサーカメレオンは色彩の美しさと行動の派手さが魅力的で、地域ごとのカラーバリエーションは見応え抜群。とはいえデリケートな性質もあり、単独飼育やきちんとした環境整備が大切です。
マルテカメレオン (Calumma malthe)

マルテカメレオン (Calumma malthe) は、マダガスカル北東部に生息する中型のカメレオンで、独特な外見と行動が特徴的な種です。
基本情報
- 最大体長: 20~30cm(オスがやや大きめ)
- 寿命: 飼育下で約5~8年ほど
- 食性: 主に昆虫を捕食する肉食性
- 活動時間帯: 昼行性
- 棲息域の特徴: マダガスカル北東部の湿潤な熱帯雨林に生息。比較的冷涼で湿度の高い環境を好み、高地の森林にも適応。
見た目の特徴
ピンクがかったベージュを基調に、黄緑やオレンジが混ざる美しい色合いで知られます。オスには直線的に伸びる角状の突起が鼻先にあり、シャープな印象。一方、メスにはこの突起がほぼありません。後頭部には大きなフラップがあり、威嚇やコミュニケーションの際に広げられます。
行動学的特徴
主に樹上で生活し、枝に尾を巻き付けながらゆっくりと移動。危険を感じるとフラップを大きく広げて体を大きく見せたり、色を変えて威嚇します。長い舌で瞬時に獲物を捕らえ、単独行動を好む傾向が強いです。
まとめ
マルテカメレオンは中型サイズで、角やフラップなど独特な外観が魅力。飼育下では適度な湿度と温度を確保する必要があり、自然環境に近いレイアウトを整えると生き生きとした行動が見られます。
まとめ
今回はカメレオンに限定してご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
カメレオンは見た目も鮮やかで、トカゲやヤモリとはまた違う魅力にあふれています。一方、意外と大型になる種類もあるので、購入を考える方は飼育スペースや環境づくりに注意が必要です。飼育のカギは「自然に近い生活環境」と「ストレスフリーの空間づくり」。
派手な色と独特の仕草に惹かれて飼い始めたとしても、油断すると体調を崩しやすい繊細な面があるので、日頃のケアをしっかり行いましょう。
爬虫類の展示即売会はほぼ毎月どこかで開かれており、近所のショップでは見かけないレア種との出会いも魅力の一つです。興味のある方はぜひ足を運んでみてください!
それではまた、別の記事でお会いしましょう!