【グランディスヒルヤモリ】飼育方法ガイド!これを知れば安心!飼育方法と注意点について詳しく解説

グランディスヒルヤモリ
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皆さまこんにちは!ひとしきです。

今回は「グランディスヒルヤモリの飼育方法」について、解説していきます。

グランディスヒルヤモリはその美しい見た目から、爬虫類初心者から経験者まで幅広く人気のあるヤモリです。しかし、特殊な環境の用意やエサの準備、健康管理など、一般的なペットとは違う面倒も伴います。

この記事では、そんなグランディスヒルヤモリの飼育方法と注意点を、基本情報と環境づくり、具体的なエサや給餌方法、病気の予防策まで包括的に解説します。

購入を考えているんだけど初心者でも大丈夫かな?」

「購入したんだけど、お世話の方法があってるか知りたい……」

このような方に、ぜひ読んでいただきたい内容となっております!

初めての方でも失敗しないように、必要な手順やポイントをしっかり押さえていますので安心してくださいね!

グランディスヒルヤモリの生態についてはこちらの記事で紹介!【生態の解説】緑が映える大型ヤモリ!グランディスヒルヤモリの生態について解説

グランディスヒルヤモリの飼育環境についてはこちらの記事で詳しく紹介!【飼育環境の解説】珍しい昼行性ヤモリ!グランディスヒルヤモリを飼育する際に守るべき5つのポイントを解説!

グランディスヒルヤモリの基本情報

https://www.99inspiration.com/2015/04/amazing-phelsuma-madagascariensis-photos-by-nakkimo/
  • 最大体長:最大30cm程度
  • 食性:雑食性(昆虫、果物、人工フードなど)
  • 生息域:マダガスカルを中心とした熱帯雨林地域
  • 生態:樹上性
  • 活動時間帯:昼行性

鮮やかな緑色の体色に赤い斑点や模様が特徴のヤモリです。
ヤモリとしては珍しく昼行性であり、明るい時間帯に活動するため、日中に観察を楽しめるメリットがあります。夜は比較的落ち着いて過ごすことが多いので、飼い主が休む時間帯と生体の活発な時間帯が重なりにくいという利点もありますね。
マダガスカルの多湿な森林に生息するため、飼育下でも適度な湿度管理が重要になります。また、樹上性のため、ケージは床面性よりも高さが必要ですね。

飼育環境を整える

詳しい内容は、こちらの記事でご紹介しています!【飼育環境の解説】珍しい昼行性ヤモリ!グランディスヒルヤモリを飼育する際に守るべき5つのポイントを解説!

ケージの選び方

  • サイズ: 樹上性のため高さのあるケージが必要。高さが最大体長の約2倍である幅45cm×奥行45cm×高さ60cm以上のケージを推奨
  • 材質: 通気性が確保されているガラス製やアクリル製

温度と湿度

  • 温度: 25~30℃ 夜間は少し下げるのが理想(22~25℃程度)。
  • 湿度: 50~60%

照明と紫外線ランプ

  • 紫外線ランプ: 昼行性のため、UVBランプが必須。10~12時間の照射で昼夜サイクルを作る
  • バスキングエリア: ケージ内に28~32℃のホットスポットを設定する

レイアウト

  • 植物や流木: 樹上性のため、登れる流木や観葉植物を配置する。人工植物でも可
  • 床材: ヤシガラ土やココファイバーなど、湿度を保ちやすいものを選択する

エサの種類と給餌方法

昆虫エサの詳細についてはこちらの記事で紹介!【トカゲ・ヤモリの主食】昆虫エサの解説とオススメする昆虫エサ3選!

各エサのメリットとデメリットはこちらの記事で紹介!【飼育環境の解説】珍しい昼行性ヤモリ!グランディスヒルヤモリを飼育する際に守るべき5つのポイントを解説!

グランディスヒルヤモリは雑食性で、野生下では主に昆虫や果物を食べています。
飼育時にもこれらのエサをバランスよく与えるのが理想です。同じ食性のクレステッドゲッコー用の人工フードなどもよく食べるのでこれらを織り交ぜて、栄養バランスを整えましょう。

給餌の頻度

  • ベビー~ヤング:週に3~4回
  • アダルト:週に2~3回

ベビーやヤング期の個体は成長期のため、欲しがるだけ与えてもいいでしょう。タンパク質が豊富な昆虫エサをメインにしてください。
逆に、アダルトの個体に食べるだけ与えると肥満になってしまいます。特に果物は糖分が多いので注意してくださいね。

理想の昆虫エサ

  • コオロギ(フタホシ、イエコ)
  • ローチ(レッドローチ、デュビア)

栄養バランスから考えると、タンパク質が豊富で脂質が少ないコオロギかローチが良いでしょう。
ローチはレッドローチの方が柔らかく食べやすいですが、デュビアの方がボリューミーです。個体によって好みがありますので、一度与えてみて、食べるものを与えるのが良いと思います。
ミルワームなどを選ぶ方もいますが、脂質が多く栄養バランスが悪いため、与える場合はおやつ程度にしておきましょう。

給餌の前には必ずカルシウムパウダーをまぶしてください!昆虫エサだけだと、骨の形成に必要なカルシウムが不足してしまいます。
オススメの方法としては、ビニール袋にエサとカルシウムパウダーを入れて振ることで、昆虫の全身にカルシウムパウダーをつけることができます。エサの全身が真っ白になればOKですね。

基本的にはピンセットで昆虫エサを1匹ずつ与えるのが理想です。生体の観察もできますし、昆虫エサの食べ残しや逃亡の心配がありません。

理想の果物

  • バナナ
  • マンゴー
  • リンゴ

柑橘系の果物は与えないようにしましょう。柑橘系果物(オレンジ、レモン、グレープフルーツなど)は酸性度が高く、胃や腸を刺激することで、消化不良や下痢を引き起こすリスクがあります。

果物は細かく刻んだり、すり潰したりして与えます。果物は糖分が多く喰いつきも良いですが、与えすぎると肥満の原因になるため注意が必要です。昼行性のため、朝から日中にかけて餌を与えると食べる様子を観察しやすいでしょう。

給餌の際は、ツルツルの小皿に入れ、好きな時に舐めさせる形が主流です。少量ずつ清潔なスプーンを使用して与えるのも良いと思います。
小皿に入れて与える場合は、餌皿がひっくり返らないようにレイアウトを工夫する必要がありますね。
食べ残しは早々に回収しておかないと、カビが生えたりコバエが発生したりする原因になります。

人工フード

  • クレステッドゲッコー用の人工フード(レパシーなど)

食性がよく似ているクレステッドゲッコー用の人工フードにしましょう。
人工フードはそれ単体で栄養バランスが整っており、初心者にもオススメのアイテムです。難点は、食べる個体と食べない個体がいるということですね。

与え方は果物と同じく、餌皿に入れて自由に舐めさせるか、少量ずつ清潔なスプーンで与えます。
食べ残しは早々に回収してくださいね。

飼育中に注意するべきポイントと対策

脱走

グランディスヒルヤモリは動きが素早く、ちょっとした隙間からでも脱走を試みる可能性があります。ケージの蓋やスライドドアは確実にロックし、メンテナンスや給餌の際に扉を開ける際には生体の居場所を確認することが大切です。

皮膚の弱さ

グランディスヒルヤモリの皮膚は摩擦に弱く非常にデリケートです。強く掴むと剥けてしまったり、傷いてしまう可能性があります。また、ストレスによって尾を自切してしまうこともあるので、必要以上に触らないようにしましょう。

やや神経質な性格

これは個体にもよりますが、人の手に慣れにくい場合があります。皮膚が弱いこともあるため、生体が望まないふれあいは、避けた方が良いでしょう。
また、オス同士は強い縄張り意識を持ちます。激しい争いが起こる可能性がありますので、多頭飼いはオススメできません。

高温や低温のリスク

日中はしっかりとした保温が必要ですが、35℃を超えるような極端な高温状態はストレスや体調不良の原因となってしまいます。逆に温度が15℃を下回ることが続くと代謝が落ち、エサ食いが悪化する可能性があります。サーモスタットを導入するなどして適切に管理しましょう。

ケージ内の衛生状態

水分と糖分が多い果物を与えることもあって、ケージ内の衛生状態が悪くなりやすいです。特にカビが発生すると、呼吸器が悪くなったり、感染症になる可能性もあります。
多湿を好むグランディスヒルヤモリですが、通気性もしっかり確保してください。

湿度環境

湿度が下がると脱皮不全や呼吸器系のトラブルが起きやすくなります。定期的に霧吹きを行い、ケージ内の通気と湿度のバランスをチェックしてください。

病気と対策

グランディスヒルヤモリは基本的に丈夫な種類ではありますが、適切な飼育環境が整っていない場合やストレスが重なると病気になりやすくなります。
何か異常を感じたら、早めに爬虫類を診られる動物病院へ相談するのが基本です。おかしいと思う点(食欲不振、皮膚の変色、呼吸異常など)があれば、迷わずプロに相談しましょう。

脱皮不全

爬虫類は脱皮して成長していきますが、この古い皮がきちんと剥がれず、指先や尾に皮が残ったままになってしまう状態です。
指先に皮が巻き付くと血行不良を引き起こし、最悪の場合は指先が壊死してしまうこともあります。
湿度不足や栄養不良が原因でなることが多く、適切な湿度管理と栄養バランスが大切です。

くる病(MBD:代謝性骨疾患)

骨が弱くなる病気で、背骨や脚が曲がったり、動きが鈍くなる症状が見られます。
カルシウムやビタミンD3が不足すると発症してしまうので、UVBライトの使用とカルシウムパウダーをまぶした餌の給餌が大切ですね。

くる病についてはこちらの記事で詳しく解説しています【病気の解説】絶対に知っておいて!爬虫類の骨がもろくなる恐ろしい病気「くる病」の症状と予防策を解説!

下痢・衰弱

果物やミルワームだけ与えるなど、栄養バランスが偏ったエサを与え続けると、体調を崩し衰弱することがあります。また柑橘系の果物は、下痢の原因にもなりますね。
エサを与える際には、栄養バランスに注意しましょう。

腸閉塞

腸閉塞になると正常に便の排泄ができないため、下腹部がパンパンになります。放置すると死亡するリスクもあります。
床材の誤飲や昆虫エサの外殻(キチン質)の過剰摂取により発症しますので、床材の誤飲や外殻の硬い昆虫(ジャイアントミルワームなど)の過剰摂取には注意してくださいね。

体表のカビ・細菌感染

湿度が高い環境ではカビや細菌が増殖しやすく、体表や口周りに炎症が起こることがあります。
こまめな清掃と通気性の確保し、ケージ内は清潔に保ちましょう。

寄生虫(きせいちゅう)

あまり気にする必要はないかもしれませんが、野生採取個体を購入したり、他の生体と接触することで寄生虫を貰ってくる場合があります。

まとめ

グランディスヒルヤモリの飼育方法について解説しましたが、いかがだったでしょうか?

今回紹介したポイントを把握しておけば、初めての方でもグランディスヒルヤモリを安心して飼育できます。美しい体色が魅力的な比較的大型のヤモリで、飼育を始めれば日々の生活に癒しが生まれること間違いなし!
現在飼育されている方はより一層、グランディスヒルヤモリとの生活を楽しんでください!

最後に、よくあるQ&Aを記載していますので、こちらも参考にしてみてくださいね。

それではまた、別の記事でお会いしましょう!

よくあるQ&A

Q1. 出張や旅行が多いとき、給餌や世話はどうすればいいの?

短期の旅行ならば、給餌の間隔を調整して対応可能です。温度はサーモスタット、湿度は自動噴霧器を利用すれば、ある程度は問題ありません。
ただし、1週間を超えるような場合は、信頼できる友人や家族に協力を依頼するのがベストでしょう。

Q2. グランディスヒルヤモリを複数飼いしたいけど、可能なの?

基本的には単独飼育が好ましいです。
特にオス同士ではテリトリー争いが起き、喧嘩による怪我のリスクがあります。メス同士やペアであったとしても、相性によって喧嘩が起こります。
繁殖を考えていたり、どうしても複数飼育したい場合には、大型のケージを使用して隠れ家を複数設置することで可能なこともあります。この場合でも、喧嘩が確認された場合に備えて隔離用のケージは準備してください。

Q3. 果物を与えても食べてくれないのですがどうしたらいい?

果物の好みは個体差があり、まったく食べない個体もいます。
果物の種類を変えてみたり、無理に果物にこだわらず、昆虫エサや人工フードを与えるのが良いでしょう。また、冷蔵庫から出した直後の冷えた果物は好まないこともあるので、常温に戻して与えると食べることもあります。

Q4. 慣れさせる方法は?

無理に触ろうとすると生体がストレスを感じるため、基本的にはハンドリングは推奨されていません。
どうしても触れたい場合は、まず「人の手=餌をもらえる存在」と認識させる手順を長期間かけて行い、手を近づけても逃げないようになるまで焦らず見守りましょう。
手を差し伸べると自分から乗ってくるようになれば、ストレスなくハンドリングができますね。

Q5. 初期費用とランニングコストはどのくらいかかる?

初期費用は、選ぶ器材によりますがおよそ3~5万円程度です。
生体は1~2万円で購入できるので、併せて8万円以下くらいで飼育を始められますね。
ランニングコストは与えるエサ、室内環境、地域によって変動しますが、冬場の電気代を考慮しても月数千円~1万円以下で抑えられると思います。
温度の管理方法としてエアコンをつけっぱなしにすると、もっと高くなりますね。