皆さまこんにちは!ひとしきです。
今回は、「グランディスヒルヤモリを飼育する際のポイント」を解説していきます。
グランディスヒルヤモリは大型のヤモリで、昼行性という珍しい特性を持っています。爬虫類飼育において昼行性のヤモリは珍しく、夜行性のヤモリとは異なり日中に活動し美しい姿を観察できるため、爬虫類愛好家から人気がありますね。
しかし、彼らの飼育は一般的なヤモリとは異なる点が多く、適切な環境を整えないとストレスや健康トラブルの原因となります。
本記事では、グランディスヒルヤモリの飼育環境について、初心者でも分かるように詳しく解説していきます。
「グランディスヒルヤモリをお迎えしたい!どんな環境を整えたらいい?」
「一目惚れしてお迎えしたけど…飼育環境はこれでいいのかな?」
このような方にぜひ読んでいただきたい内容となっております!
これからこのヤモリをお迎えする方も、現在一緒に暮らしている方も、ぜひ読んでくださいね。
グランディスヒルヤモリの生態についてはこちらの記事で紹介!【緑が映える!大型ヤモリ】グランディスヒルヤモリの生態について解説!
高さのある適切なケージを用意する

グランディスヒルヤモリは樹上性 で、木の上や葉の上を移動しながら生活します。そのため、ケージ選びでは「高さを重視する」ことが最も重要です。また、同じ樹上性のクレステッドゲッコーと比較しても大型になるため、クレステッドゲッコーよりも大きなケージが必要になります。
推奨ケージサイズ
- 単独飼育:幅45㎝×奥行45㎝×高さ60㎝ 以上
- ペア飼育:幅60㎝×奥行45㎝×高さ60㎝ 以上
ケージはガラス製がおすすめですが、通気性を確保するために一部メッシュ仕様になっているものを選ぶとよいでしょう。
❌ NG例
- 横長のケージ(床面積が広くても登れる場所がないとストレスになる)
- 通気性が悪い完全密閉型のケージ(湿度が高くなりすぎるとカビや病気の原因になる)
温度と湿度をしっかり管理する

グランディスヒルヤモリは マダガスカルの温暖で湿度の高い環境 に生息しているため、日本の環境に合わせるだけでは不十分です。特に冬場は冷え込むので、保温を怠らないようにしましょう。
適正温度
- 日中:26 ~ 30℃
- 夜間:20 ~ 24℃
- バスキングスポット:32 ~ 35℃
日中に活動するグランディスヒルヤモリは日光浴を好むため、バスキングスポットの確保が必須です。しかし、逆に暑すぎる環境しかないと熱ストレスを受けてしまいます。温度勾配を作ることで、ヤモリ自身が適温の場所を選んで移動できるため、より自然に近い環境を再現できます。
📌 サーモスタットと温度計を活用して、安定した温度を保つことが重要!
📌 冬場はパネルヒーターやセラミックヒーターで補助し、夜間の冷え込みを防ぐ
📌 ケージ内の温度が一定にならないようにすることで、ヤモリが快適に過ごせる
適正湿度
- 日中:50~70%
- 夜間:70~80%
🌿 湿度を維持するためのポイント
- 朝晩2回の霧吹き(多湿を維持しすぎないよう注意)
- 水入れの設置(蒸発で自然に湿度を上げる)
- 床材にヤシガラや腐葉土を使用(保湿力を高める)
UVBライトを正しく設置する

グランディスヒルヤモリは昼行性のため、適切な紫外線(UVB)を浴びることが必須 です。UVBを浴びないとビタミンD3の生成ができずカルシウムの吸収が悪くなり、くる病(代謝性骨疾患) を引き起こす可能性があります。
紫外線に関する詳しい解説はこちら!【用語解説「紫外線」】UVA?UVB?爬虫類に必要な「紫外線」について解説!
くる病に関する詳しい解説はこちら!【絶対に知っておいて!】爬虫類の骨がもろくなる恐ろしい病気「くる病」の症状と予防策を解説!
UVBライトの選び方
- UVB 5.0(6%)の蛍光灯またはLEDライト を使用
- タイマーを使用するなどして1日12時間程度照射し、昼夜のリズムを作る
- UVBランプは製品に記載されている交換期間を守る(見た目に変化がなくても効果が落ちる)
📌 ケージ内に設置し、UVBが減弱しないよう注意
📌 バスキングスポットと合わせて適度に紫外線を浴びるエリアを確保する
❌ NG例
- UVBなしで飼育(くる病のリスク)
- 照明をつけっぱなし(昼夜のリズムが崩れる)
バランスの良い食事を与える

グランディスヒルヤモリは 昆虫・果実・人工フードを食べる雑食性 です。
個体によっても好みが分かれるため、様々なエサを試しながら栄養バランスを意識した食事を心がけることが重要ですね。
昆虫エサに関する詳しい解説はこちら!【トカゲ・ヤモリの主食】昆虫エサの解説とオススメする昆虫エサ3選!
主なエサのメリット・デメリットを解説していきます。
昆虫エサ
昆虫は、グランディスヒルヤモリの主食として最適なエサです。高タンパクで栄養価が高く、動きがあるため狩猟本能を刺激するというメリットがあります。特に成長期のヤモリには欠かせませんが、管理が少し手間なのが難点です。
メリット
- 高タンパクで栄養価が高く、特に成長期や繁殖期に必要な栄養を補える
- 動きのあるエサはヤモリにとって魅力的で捕食本能を刺激するため、喰いつきはバツグン
- コオロギ・デュビア・ミルワームなどバリエーションが多い
デメリット
- 昆虫の飼育や維持が必要で、管理の手間がかかる(特にコオロギは臭いや鳴き声が発生する)
- ケージ内でエサが脱走することがある
- カルシウム添加を怠るとカルシウム不足に陥る
人工フード
人工フードは、爬虫類専用に開発された総合栄養食です。昆虫や果物の代わりとして活用でき、ビタミンやミネラルがバランスよく配合されています。調理不要で手軽に与えられるため、忙しい飼育者にも最適です。
グランディスヒルヤモリ専用の人工フードは販売されていない(2025年2月現在)ため、クレステッドゲッコー用の人工フードを代用しましょう。
メリット
- ビタミン・ミネラル・タンパク質がバランスよく配合されており、栄養バランスがいい
- 保存しやすく、管理が簡単
- 昆虫に触れる必要がない
デメリット
- 食べない個体もいる。動かないため捕食本能を刺激しにくい。
- 他の餌に比べて価格が高めで、コストがかかる
- 専用の人工フードがない(クレステッドゲッコー用の飼料を代用)
果物
果物は、ビタミンやミネラルが豊富で嗜好性も高く、グランディスヒルヤモリが好んで食べる食材です。水分補給にもなるため、昆虫食だけでは不足しがちな栄養を補うのに適していますが、糖分が多いので、与えすぎには注意が必要ですね。
メリット
- 天然のビタミンやミネラルが豊富で、免疫力向上に役立つ
- 多くのヤモリが甘い果実を好む
- 水分が多く含まれているため、水分補給に役立つ
デメリット
- 糖分が多く、与えすぎると肥満や内臓負担の原因になる
- タンパク質が少なく、主食には不向き
- 傷みやすく、食べ残しを放置すると虫が湧くことがある
脱走&皮膚トラブルに注意する

グランディスヒルヤモリは非常に素早く、脱走の達人です。メンテナンス時はもちろん、普段からしっかりとケージは確認しておきましょう。
さらに、皮膚が繊細で、強く触ると簡単に剥がれてしまうため、ハンドリングについては特に注意が必要です。
脱走対策
- ケージの扉はしっかり施錠する
- メンテナンス時はヤモリが隙間から出ないように慎重に作業する
皮膚の扱い
- ハンドリングは基本的にNG!
- もし触る必要がある場合は、優しく、できるだけ摩擦を避けて
まとめ
グランディスヒルヤモリの飼育環境について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
グランディスヒルヤモリは美しく観賞価値が高いヤモリですが、適切な飼育環境を整えないと健康を損ねるリスクが高い ため、次の5つのポイントをしっかり守ることが大切です。
✅ 高さが最低60㎝以上あるケージを準備する
✅ 温度・湿度を適切に管理する
・日中温度:26~30℃
・夜間温度:20~24℃
・バスキングスポット:32~35℃
・湿度:昼50~70% / 夜70~80%
✅ UVBライトを正しく設置する。
✅ バランスの良い食事を与える。果物は特に糖分が多いので与えすぎに注意!
✅ 脱走&皮膚トラブルに注意する。ハンドリングは基本的にNG!
しっかりと環境を整えれば、グランディスヒルヤモリは長く健康にイキイキと暮らせます。記事を参考に、ポイントを押さえて管理してください!
それではまた、別の記事でお会いしましょう!