【病気の解説】絶対に知っておいて!爬虫類の骨がもろくなる恐ろしい病気「くる病」の症状と予防策を解説!

トカゲ
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皆さまこんにちは!ひとしきです。

今回は、特に初心者の方に絶対に知っておいてほしい「くる病」の予防と対策について解説していきます。

爬虫類を飼っている方なら「くる病」という病気を耳にしたことがあると思います。

「爬虫類が歩けなくなったり、骨が曲がってしまう?」

そんな恐ろしい病気が「くる病」です。

実は、初心者の方がやりがちな飼育ミスが原因で発症することが多く、知らないと大切なペットの命を縮めてしまうこともあります。

この記事では、くる病の正しい知識と予防策を徹底解説します。大切なペットを守るために、ぜひ最後まで読んでください!

くる病(MBD)とは?症状と対応方法

くる病(代謝性骨疾患、Metabolic Bone Disease:MBD)は、 爬虫類の骨が弱くなり、変形や骨折を引き起こす病気です。

主に カルシウムやビタミンD3の不足、紫外線(UVB)の欠如 によって引き起こされ、成長期の個体に、特に大きな影響を与えます。

くる病を発症すると、骨が柔らかくなり、顎や足、背骨などが変形してしまいます。その結果、歩行困難や食事のしづらさにつながってしまいます。

くる病の症状:こんな変化に要注意!

くる病になると、以下のような 異常な症状が見られることがあります。

  • 足や尻尾が曲がる、変形する
  • 歩き方がおかしい、ふらつく
  • 口元や顎の骨が変形し、口が開いたままになる
  • 元気がなくなる、動きが鈍くなる
  • 食欲が落ちる
  • けいれんや発作を起こすこともある

これらの症状が見られたら、すぐに対策をしてください!

骨の変形は元に戻らないこともあるため、早期発見・早期対策が非常に重要です。

くる病になってしまったら?

もしくる病の症状が見られたら、すぐに対策を行いましょう!

早期なら、カルシウム・ビタミンD3・UVBの環境を見直せば、回復する可能性あり

重度なら、爬虫類に詳しい動物病院へ!カルシウム注射やビタミンD3投与が必要になることも

放置すると症状が悪化し、寿命を縮める可能性もあるため、早めの対応が大切です!

くる病の主な原因と対策のポイント!

くる病は、 飼育環境の不備 によって引き起こされることがほとんどです。

主な原因となる3つについて、解説していきます。

カルシウム不足

カルシウムは骨を作るために必要不可欠な栄養素であり、不足すると 骨がもろくなり、変形や骨折のリスクが高まります

また、カルシウムは神経や筋肉の働きにも重要な役割を果たしており、極端に不足すると 痙攣(けいれん)や運動障害 を引き起こすこともあります。

特に昆虫を主食とするレオパードゲッコーやクレステッドゲッコーはカルシウム不足になりやすいので、注意が必要です。昆虫類にはカルシウム含有量が少ないため、 適切な補給が欠かせません

対策のポイント

エサへのダスティングを徹底する

  コオロギやミルワームなどを与える前に、カルシウムパウダーを振りかける

カルシウムが豊富な野菜を与える

  草食・雑食の爬虫類なら、小松菜・チンゲンサイ・ケールなどを与える

リンが多いエサ(ミルワームなど)の与えすぎに注意!

  リンが多すぎるとカルシウム吸収が阻害される

ビタミンD3不足

ビタミンD3はカルシウムの吸収を助ける役割を持っています。不足すると体がカルシウムを取り込めず、骨が弱くなります。

ビタミンD3は主に紫外線(UVB)を浴びることで皮膚内で合成されますが、食事からの摂取も重要です。屋内飼育の爬虫類は日光を浴びる機会が少ないため、ビタミンD3が不足しがちです。そのため、適切なUVB環境の整備と食事からの補給のバランスが重要になります。

特に、夜行性のレオパードゲッコーのような種はUVBライトの使用頻度が低いため、食事からのビタミンD3摂取が必須です。一方で、フトアゴヒゲトカゲのような昼行性の種は、強いUVBを必要とするため、ライトの設置環境が直接影響を及ぼします。

対策のポイント

UVBライトを使用する

  1日8〜12時間照射が推奨。強い紫外線を必要とする種類には強い紫外線を照射するランプを選ぶ。

ビタミンD3配合のサプリを活用

  餌にまぶしたり、必要に応じてサプリメントを使用する(過剰摂取には注意)

可能なら日光浴をさせる(昼行性のトカゲ)

  安全な環境で短時間の日光浴を行うことで、自然にビタミンD3を生成できる

紫外線(UVB)不足

特に昼行性の爬虫類は、太陽光を浴びてビタミンD3を生成し、カルシウムを吸収します。しかし、室内飼育では日光を浴びる機会がないため、UVBライトの設置が不可欠 です。

UVBが不足すると、体内でビタミンD3を作れず、カルシウムが適切に吸収されなくなるため、結果的に骨の形成がうまくいかず、くる病を発症するリスクが高まります。また、UVBライトの設置距離が適切でないと、十分な紫外線を得られない場合もあります。

対策のポイント

爬虫類の種類に適したUVBライトを使用する

  乾燥地帯に生息する昼行性爬虫類は強めのUVBが必要

  密林に生息する夜行性の種はUVBの必要性が低め

UVBライトの適切な設置距離を守る

  紫外線の照射範囲を確認し、推奨距離で配置

ライトの寿命を把握し、半年〜1年ごとに交換

  紫外線の効果は時間が経過すると低下していく

ケージの蓋やカバーの材質に注意

  ガラスやアクリルは紫外線を遮るため、UVBが届かない

可能なら日光浴をさせる(昼行性のトカゲ)

対策ポイントチェック

対策ポイントを以下にまとめました!ご自身の飼育環境の見直しにお役立てください。

カルシウム補給は十分か? エサにカルシウムパウダーを振りかけているか?

エサの栄養バランスは整っているか? リンが多いエサを与えすぎていないか?

ビタミンD3は適切に摂取できているか? UVBライトを使用し、食事からも補給しているか?

UVBライトは正しく設置されているか? 爬虫類の種類に合った強さ・距離を確保できているか?

UVBライトの寿命ではないか?

紫外線を遮るケージになっていないか? ガラスやアクリルでUVBを遮断していないか?

まとめ:くる病は予防がカギ!

「くる病」に関する解説でしたが、いかがだったでしょうか?

特に重要なのは、以下の3点です。

  • カルシウムの補充
  • ビタミンD3の供給
  • UVB環境の整備

くる病は、飼育環境を適切に整えれば防げる病気です。ですがよくわかっていないと、適切な飼育環境も整えられません。皆さまの「くる病」に対する理解の助けになれば幸いです。

大切な爬虫類の健康を守るために、 日々のケアを怠らず、正しい知識を持って飼育しましょう!

それではまた、別の記事でお会いしましょう!