どうもこんにちは!ひとしきです。
今回は、「意外と知らない?ヒョウモントカゲモドキの生態について解説」と題して、ペット爬虫類の代表格である「ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー、通称レオパ)」について解説していきたいと思います。
ヒョウモントカゲモドキは、ペットとして人気の高いヤモリの一種です。しかし、その生態や飼育のポイントについては意外と知られていないことも多いです。本記事では、ヒョウモントカゲモドキの特徴や生態、飼育のコツについて詳しく解説します。
「ペットショップでしか見たことがない」
「かわいい!けど、よく知らない…」
という方は、ぜひ最後までご覧くださいね!
この記事ではヒョウモントカゲモドキの生態をメインに解説します。
詳しい飼育の方法についてはこちら!【レオパ飼育のポイントはコレ!】レオパードゲッコー(ヒョウモントカゲモドキ)飼育のポイント5つを解説!
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ヒョウモントカゲモドキ?レオパードゲッコー?呼び方の違い

ヒョウモントカゲモドキと呼ばれることも、レオパードゲッコーと呼ばれることもある本種。
何がどう違うの?と考えてしまうところですが、結局のところ、ヒョウモントカゲモドキもレオパードゲッコーも、同じ種類を指す言葉です。
ヒョウモントカゲモドキは標準和名、レオパードゲッコーは、英名のLeopard Geckoをカタカナ読みしたものとなっていますね。
一般的にその種の特徴や論文的な説明をする際には「ヒョウモントカゲモドキ」と表現されることが多く、ペットとして扱う際はレオパードゲッコー(通称レオパ)と表現されることが多いですね。
この記事では主に「ヒョウモントカゲモドキ」という表現を使用しますが、一部「ペットとしてのヒョウモントカゲモドキ」を表現したい場合には、わかりやすく「レオパ」という表現を使用します。
ヒョウモントカゲモドキの基本情報

- 学名:Eublepharis macularius
- 英名:Leopard gecko
- 分布:パキスタンやアフガニスタン、インド西部など南アジアの乾燥地帯~山麓地帯
- 体長:オスが約20~28cm、メスが約18~20cm
- 活動時間帯:夜行性(厳密には薄明薄暮性)
- 寿命:野生下では約5年、飼育下では20年以上生きる例も
見た目の特徴
レオパードゲッコーは、名前のとおり“ヒョウ柄”を思わせる斑点模様が最大の魅力ですね。
黄色や薄いオレンジ色の地に黒や褐色の斑点が並び、個体によっては明るいクリーム色や濃いブラウンなど微妙に色合いが違います。また、ヤモリの仲間でありながら、壁を登るための「趾下薄板(しかはくばん)」を持たないのもポイントですよ。彼らは代わりに小さな爪を使って地面を歩き回ります。瞼(まぶた)があるヤモリとしても有名で、まばたきしている姿がかわいらしいですよね。
ですが、生息地の一部地域では本種がコブラ(ヘビ)の幼体であるとの誤解から「ビスコブラ」と呼ばれ、噛まれると死ぬという俗説があり忌み嫌われています。無毒で人に危害を加えないヤモリですが、こうした誤解から人為的な駆除(迫害)を受ける例もあり、生息地では人との軋轢が課題となる場合もあります。
食性と生態

レオパードゲッコーは主に小型の動物を捕食する肉食性ヤモリです。野生下で確認された主な餌は昆虫類で、甲虫やバッタ、クモ類、サソリ、ムカデなど多岐にわたります。成長に伴い捕食対象もやや大型化し、時には他の小型ヤモリ、小型ヘビ、ネズミの新生児、鳥の雛なども餌とする機会があることが報告されています。
野外では餌資源の少ない環境下で共食いも記録されており、餌不足時には成体が幼体を襲う例もあるようですね。
原産地の生息環境は、石ころだらけの乾燥した草原や荒地、疎林地帯などの半砂漠的な環境です。レオパードゲッコーはこうした地形の岩の隙間や地面の穴に棲み付き、日中は身を潜めています。特に湿度を好む傾向があり、完全な砂漠は避け、適度に湿気のある涼しい隙間を選んで休むことが報告されていますね。生息地に森林が混じる地域では、夜間に木の幹や樹皮の裏に登って休む半樹上性の行動も観察されています。
夕暮れ時になると各個体が隠れ家から這い出し、夜行性(薄明薄暮性)動物らしく活発に単独で餌を探し回ります。
レオパードゲッコーは単独生活を好む一方で、繁殖期にはオス同士が激しくテリトリー争いをするのが興味深いですよ。威嚇し合いながら尻尾を小刻みに振り、優位に立った方がその場を支配します。負けたオスは尻尾を自切して逃げるケースもあるみたいですね。
さらに注目したいのが、体内の脂肪を尻尾に蓄えるという適応戦略です。餌の獲得が難しいとき、尾に溜めた脂肪を代謝エネルギーとして活用できるのは乾燥地帯で生き抜くうえで大きな武器なんですね。
行動学的特徴

レオパードゲッコーの行動学的な特徴としてまず挙げたいのが、縄張り意識と繁殖期のオスの闘争ですね。オスは発情期になると、同じエリアにいる他のオスに対して攻撃的になります。尻尾をぶんぶん振りながら威嚇し、相手が引かないと噛みつき合いまで発展するんです。噛まれる側は尻尾を自切して逃げることが多いのですが、自切した尻尾は再生できるとはいえ、再生尾は形状や模様が元通りにはならないんです。
一方、メスに対しては尻尾を小刻みに震わせながら求愛アピールをします。これに応じたメスが受け入れ態勢に入れば、オスはメスの首筋に噛みついて交尾を行うんですよ。噛みつくと聞くとやや乱暴に感じるかもしれませんが、爬虫類の交尾では珍しいことではありません。
また、防御姿勢としては、相手に対して正面を向き、背を反らして体を大きく見せようとする威嚇ポーズをとることがあります。加えて、危機的なときには尻尾を振って相手の気を引き、その隙に逃げたり、鳴き声のような音を発することもあるんですよ。「ジッ」とか「シャー」みたいな短い音を出して、相手を威嚇するんですね。ストレスを感じると排泄物を漏らす習性があり、人が乱暴に扱うと臭い液体を放出して抵抗することがあります。
興味深いのは、野生下である程度集合行動も見られる点です。岩や土の割れ目など限られた場所に何匹も集まっていたり、若齢個体と成体が同居しているケースも観察されています。これは社会的行動と言うよりは、安全な隠れ家の奪い合いを回避している可能性もあるのですが、実際のところはまだ研究が進行中みたいですよ。
夜行性特有の行動として、光の強度が落ちる薄明薄暮の時間帯にいっせいに活発になる様子も面白いです。「しばらく姿が見えないな」と思っていても、日没とともにスッと出てきて辺りを探検し始めるんですね。飼育下でも夜間に餌を与えるとよく食べますし、人が寝静まったころに「コツコツ」とケージを歩いているなんてこともよくあります。
野生下での繁殖

レオパードゲッコーの野生下での繁殖は、だいたい春~夏にかけて活発になります。気温が上がり始め、餌となる昆虫が増える時期ですね。オスはメスを見つけると前述した「尻尾を高速振動させる」動きを見せ、メスをグルーミング(首筋を軽く噛む)するような仕草でアプローチします。
交尾が成功すると、メスはしばらく体内に精子を保持して複数回の産卵を行います。1クラッチに2個ずつの卵を数回にわけて産むのが一般的で、産卵床となる湿った地面を探して掘り進み、そこに卵を産み付けるんですね。卵は皮革質の柔らかい殻に包まれていて、少し時間が経つと硬化します。
野生下では、メスが卵を産んだあとは基本的に放置です。親が卵を守る行動はほとんど見られません。卵は周囲の地面の温度や湿度条件で発生が進むので、気候によって孵化率が大きく変わってきます。
特筆すべきは、温度依存型の性決定(TSD)ですね。卵の孵化温度が低い(26~27℃前後)とメスが多く生まれ、30℃前後だと性比が半々、さらに32~33℃近くまで上がるとオスの比率が増えるという報告があります。しかも34~35℃を超えると再びメスが多くなる可能性が示唆されていて、単純なTSDよりも複雑なパターンがありそうです。
孵化したベビーは体長8~10cmほどで、あらかじめ持っている卵黄由来の栄養を使いつつ、自力で餌を探し始めます。脱皮や成長を繰り返し、1年ほどでオス・メスともにほぼ成体サイズに達すると言われていますよ。野生個体がどれほど生き延びられるかは天敵や気候の影響も大きいですが、数年スパンで同じ隠れ家に戻ってくるメスの報告もあるなど、意外としたたかに生き抜いているんですね。
まとめ
以上が、現在ペット爬虫類の代表格である「ヒョウモントカゲモドキの生態」です。
レオパードゲッコーは乾燥地帯に適応したユニークなヤモリで、その生態は非常に興味深いものです。夜行性で昆虫を巧みに狩るハンターであり、群れを作らず単独で暮らしつつも繁殖期にはダイナミックな闘争や求愛行動を見せます。
ペットとして人気の種ですが、その裏にある野生での暮らしぶりを知ることで、飼育に対する理解も一層深まると思います。
それではまた、別の記事でお会いしましょう!