皆さまこんにちは!ひとしきです。
今回は、「フトアゴヒゲトカゲの飼育方法」について、解説していきます。
「フトアゴヒゲトカゲの飼育環境は大体わかったつもりだけど、病気のリスクやケガの対処については不安…」そう思うことはありませんか?適切な知識があれば、トラブル発生を最小限に抑えられ、フトアゴヒゲトカゲとの生活を長く楽しめるはず。
この記事では、健康を維持する飼育方法のコツや注意点、病気への対応策まで、一歩踏み込んだ内容を詳しく解説します。
「もっと最適な環境作りを追求したい!」
「よくある病気・ケガの対処法が知りたい!」
このような声にお答えできる内容となっております!
ぜひ最後までご覧くださいね。
フトアゴヒゲトカゲに関する他の記事はこちらからどうぞ!フトアゴヒゲトカゲ
必要な飼育環境:リスト
飼育環境の必需品をチェックリスト形式でまとめます。改めて、確認してみてくださいね。
✅ 十分な広さのケージ:最低でも幅90×奥行45×高さ45cm以上
✅ バスキング用ランプ:局所的に35~40℃を確保
✅ UVBライト:紫外線B波を照射し、ビタミンD₃合成を促進
✅ 床材:誤飲リスクに留意する。爬虫類用のサンドや人工芝など
✅ シェルター・レイアウト:安全に隠れられる隠れ家や登り木
✅ 適正な温度計・湿度計:ケージ内の複数箇所を計測
✅ 保温器具:冬季や夜間の温度低下対策に
✅ 給水容器:常に清潔な水を提供
✅ 餌皿:野菜類などを安定して与えられる容器
✅ 消毒用品:定期的にケージを清掃・除菌
エサの種類と給餌方法

フトアゴヒゲトカゲの健康維持において、エサの種類の選定と給餌方法は非常に重要なポイントになります。「雑食性」の爬虫類として、動物性と植物性のバランスを考えたメニュー作りがカギになりますよ。
特に年齢や成長段階によって適切な給餌内容が変わるので、その違いもきっちり押さえていきましょう。このポイントを理解していないと、肥満や栄養障害になりやすいので注意してくださいね。
エサの基本構成と年齢による違い
ベビー(生後0〜6ヶ月)
- 給餌頻度は1日2〜3回
- 動物性:植物性=8:2が目安です。
ベビー期は急速な成長期なので、高タンパク・高カロリーの食事が基本になります。
生き餌(昆虫)をたっぷり与え、野菜はあくまで補助的に考えるといいですよ。
ヤング(生後6ヶ月〜1年)
- 給餌頻度は1日1回
- 動物性:植物性=5:5が理想的なバランスです。
少しずつ野菜中心に切り替えていく時期ですね。
動物性ばかりだと肥満の原因になるので、注意が必要です。
アダルト(1年〜以降)
- 給餌頻度は1日1回 or 2日に1回
- 動物性:植物性=2〜3:7〜8が目安です。
成体になると、基本は低カロリー・高繊維の食事が中心になります。
野菜・葉物を多めに与え、動物性タンパク質は補助的な位置付けにすると健康維持に役立ちますよ。
動物性のエサ、植物性のエサ
動物性のエサ(プロテイン源)
野生では昆虫類や小型爬虫類・哺乳類まで捕食することがありますが、飼育下では安全で消化しやすいものを選びましょう。
- コオロギ(フタホシ・ヨーロッパコオロギ)
高タンパク・低脂肪で、ベビーからアダルトまで万能な餌ですね。必ず「ガットローディング(餌昆虫への栄養補給)」をしてから与えましょう。 - デュビア
消化が良く、脂肪分も適度で優れた餌です。動きが遅いので、捕食が苦手な個体にもおすすめですよ。 - ミルワーム、スーパーワーム
脂質が高いのでおやつ感覚で。与えすぎると肥満や肝臓に負担がかかるので「週1〜2回程度」が目安ですね。
主食にするべき野菜
- 小松菜(カルシウム豊富)
- チンゲン菜
- カブの葉
- タンポポの葉
- オオバコ(プランテイン)
★ これらは、「カルシウム:リンの比率(理想は2:1以上)」が良好で、主食に最適ですよ。
補助的に与える野菜や果実
- ニンジン(βカロテン豊富)
- ズッキーニ
- カボチャ
- イチゴ、パパイヤ、ブルーベリー(ビタミンC・抗酸化物質)
※果物は糖分が高いので「週1〜2回」「少量」を心がけましょう。
※アボカド、ネギ類は有毒なので与えないでください!
給餌方法とタイミング
給餌時間
- 午前〜昼前後が理想的ですね。
フトアゴは変温動物なので、体温が適温(約36〜38℃)になってからでないと、消化機能がうまく働かないんですよ。夕方以降の給餌は、未消化のリスクがあるため、避けたほうが安全です。
給餌の注意点
- 生き餌はピンセットかハンドフィーディング
ピンセットで動かして、狩猟本能を刺激するのが効果的です。食いつきが悪い場合は、エサを目の前で動かしてやるといいですね。 - 野菜は細かく刻む or 千切り
噛み切れないサイズだと、誤嚥や消化不良の原因になるので、「フトアゴの口幅以下」にカットしましょう。 - 食後はしっかりバスキングさせる
食後にしっかりとバスキングスポットで体温を維持させないと、消化が進みません。
飼育中に注意するべきポイントと対策

フトアゴヒゲトカゲは比較的飼いやすいと言われることが多いですが、実際には細かい注意とケアが必要な生き物です。ここでは、飼育中によくあるトラブルや注意点、それに対する具体的な対策を現場目線で解説していきますね!
「ちょっとおかしいかな?」と思ったときに、すぐ対処できるように日頃の観察も欠かさずにいきましょう。
温度管理のミス
温度勾配が不適切だと、フトアゴは代謝が狂い、食欲不振や消化不良を起こします。
特に低温すぎる環境では、消化がうまく進まず、腸内で餌が腐敗し、腸閉塞や消化不良につながることもあります。
対策
- バスキングスポットは38〜42℃を維持
- クールエリアは26〜30℃を目安に
- 夜間は最低でも18℃を下回らないように、保温器具(セラミックヒーターなど)を併用
- デジタル温度計を2カ所以上設置し、常にチェックを欠かさない
- 季節ごとの温度変化にも敏感になりましょう。特に冬場は冷え込みに要注意ですね。
湿度が高すぎる/低すぎる
日本は湿度が高いため、フトアゴの本来の生息環境(湿度30〜40%)を超えてしまうことが多いんです。高湿度は、呼吸器疾患(肺炎やレプトスピラ症)や皮膚病のリスクを高めてしまいます。
逆に、極端に乾燥していると、脱皮不全を起こしやすくなります。
対策
- 日常の湿度は30〜40%を目安に、湿度計を設置して確認
- 湿度が高いときは、ケージの通気性を確保し、除湿器やエアコンで調整
- 脱皮前はウェットシェルターやモスボックスを設置して、部分的に湿度を上げる
給餌の頻度と量のミス
エサを与えすぎると肥満になりますし、少なすぎると栄養失調や発育不良を招きます。
フトアゴは「食べるなら際限なく食べる」なんて個体もいるので、こちらがしっかり管理しないとダメなんですよね。
対策
- 年齢に応じた動物性と植物性のバランスを徹底
- 肥満予防のため、昆虫類は週2〜3回に制限(アダルト個体)
- 定期的に体重を測定し、急激な増減は早期に対処
- 食べすぎによる脂肪肝や便秘にも気をつけましょう
ストレスによる拒食
環境の変化やハンドリングのしすぎ、ケージメイトとのトラブルなどが原因で、ストレスが溜まると拒食や異常行動を引き起こすことがあります。
対策
- 新環境では1〜2週間は静かに慣れさせる
- ハンドリングは1日10〜15分程度からスタートし、様子を見て調整
- ケージは単独飼育が原則(複数飼育はリスク高め)
- 隠れ家やシェルターを用意し、落ち着けるスペースを確保
- 常に一定の生活リズム(昼夜のサイクル)を守りましょう。
爪や口元のケガ
ケージ内のレイアウトや床材が合っていないと、爪や口元を傷つけることがあります。
特にガラス面を「グラスサーフィン」する個体は、口先をこすって「マウスロット(口内炎)」になりやすいですね。
対策
- 爪が伸びすぎた場合は、専用の爪切りでカット(血管を切らないように注意)
- ガラス面に目隠しをしたり、落ち着ける環境を作る
- 口元に傷がある場合は、患部を清潔に保ち、悪化したら動物病院へ
脱水症状
水分摂取が足りないと、脱水症状を引き起こします。
皮膚がしおれたり、目がくぼむ、動きが鈍くなるなどのサインが見られます。
対策
- 浅い水皿を常に設置して、毎日新鮮な水に交換
- 朝方や脱皮時に霧吹きで水分補給を促す
- 脱水が疑われるときは、ぬるめの水で水浴させるのも効果的です
- 水分量の多い野菜(キュウリやチンゲンサイなど)を与えるのも◎
- 慢性の脱水には早めに獣医師の診断を!
便秘や腸閉塞
低温・脱水・餌の与えすぎ(特に脂肪の多い昆虫)によって、消化不良から便秘や腸閉塞になることがあります。ひどい場合は手術が必要になるケースも…。
対策
- 温度・湿度の管理をしっかりと(バスキングスポット必須!)
- 水分補給を促し、腸の動きを活性化
- 便秘が続く場合は「温浴(35℃前後で10〜15分)」を試す
- それでも排便がなければ、必ず動物病院に相談ですね。
誤食・誤飲
床材の砂や木屑を誤食し、腸閉塞や消化器障害を起こすことがあります。
「カルシウムサンド」は一見良さそうに見えますが、誤食リスクが高いです。
対策
- 床材は誤飲しにくいものか、誤飲対策のされたものを使用する
- 給餌は床の上ではなく専用トレイやピンセットで行う
- 誤食が疑われる場合は、便の状態をよく観察し、症状があれば病院へ
- 一時的な絶食と水分補給で排泄を促すこともありますが、早めの判断が大事ですね。
罹患する可能性のある病気と対策

フトアゴヒゲトカゲは比較的丈夫な種ですが、飼育環境や食事内容を誤ると、さまざまな病気にかかるリスクが高まります。病気を早期に見抜いて、適切な対処をすることで、大きなトラブルを防ぐことができますよ!
ここでは、フトアゴヒゲトカゲがかかりやすい代表的な病気とその対策について詳しく解説していきます。異変があれば、迷わず爬虫類に詳しい動物病院へ!「様子見」は悪化のもとですよ。
くる病(代謝性骨疾患:MBD)
カルシウム不足やUVBの照射不足、またはビタミンD3の欠乏によって骨が脆くなり、やがて骨折や骨の変形、さらには運動障害や麻痺を引き起こす病気です。
成長期の若い個体で特にリスクが高く、「足が曲がっている」「口がうまく閉じられない」などの症状が現れることもあります。
対策
UVBライトは必ず「10.0(もしくは12.0)」を選び、適切な距離(20〜30cm)で設置しましょう。
カルシウム剤は毎日、リン無添加タイプを使って補い、ビタミンD3の補給も併用すると効果的です。
症状が進行している場合は、自宅ケアでは限界がありますので、早めに爬虫類専門の動物病院で治療を受けることが大切ですよ。
口内炎(マウスロット / Infectious Stomatitis)
口の周りや内部に炎症が起こり、膿がたまってしまうのがマウスロットです。
原因は細菌感染が多く、汚れたケージ環境や、口先をケージにこすりつける「グラスサーフィン」がきっかけになることもあります。口がうまく閉じられない、ヨダレが増える、餌を食べなくなる…といった症状が出たら要注意ですね。
対策
常に清潔な飼育環境を保つこと、口先を傷つけないようレイアウトや目隠しを工夫することが大切です。
症状が見られた場合は、早急に動物病院で診察を受け、抗生物質による治療を開始しましょう。
進行が早い病気なので、様子を見るのは禁物ですよ。
腸閉塞・便秘
便が長期間排泄されない状態は、腸閉塞の初期段階かもしれません。フトアゴは誤って床材を飲み込んだり、餌の消化が悪かったりすると腸に詰まりを起こすことがあります。特に温度管理が悪いと、消化機能が低下し、便秘が進行してしまうんですね。
腹部の膨らみや食欲不振、便の不在が続く場合は、注意が必要です。
対策
バスキングスポットは38〜42℃で維持し、消化促進をサポート。脱水を防ぐために、常に新鮮な水を用意し、野菜からの水分補給も意識しましょう。
便秘の場合は、ぬるま湯の温浴を行い、それでも改善がなければ動物病院でレントゲンなどの検査を受けることをおすすめします。
脱皮不全
フトアゴヒゲトカゲは定期的に脱皮しますが、環境の湿度や栄養状態が悪いと、皮が完全に剥けずに体に残ることがあります。
特に尾先や指先に残った皮は血行を阻害し、壊死するリスクもあるため、見逃せません。
対策
脱皮期には湿度を40〜50%程度に上げ、ウェットシェルターやモスボックスを設置してあげましょう。日頃からビタミンAをしっかり摂らせて、皮膚の健康を保つことも大切です。
残皮がある場合は、ぬるま湯に10〜15分浸して柔らかくし、無理なく取り除くと良いですよ。
呼吸器感染症
呼吸器感染症は、湿度が高すぎたり、温度が低すぎると発症することが多いです。「口を開けて呼吸する」「鼻水が出る」「ゼーゼーと音がする」といった症状が見られたら、すぐに対応が必要ですね。
進行すると肺炎になり、命に関わることもあります。
対策
湿度は30〜40%にコントロールしましょう。温度もバスキングスポットは38〜42℃、クールエリアは26〜30℃を維持します。
異常が見られた場合は、すぐに動物病院へ。吸入治療や抗生物質による治療が一般的です。
クリプトスポリジウム症
クリプトスポリジウムという原虫が消化管に寄生し、慢性的な下痢や激しい体重減少を引き起こす感染症です。完治が難しく、慢性化・衰弱死に至ることもあるため、非常に厄介な病気なんですね。
対策
購入時に店員さんに検査の有無を確認しましょう。飼育器具は消毒をこまめに行い、ケージ内の清掃も重要です。もし感染が確認された場合は、隔離と栄養管理によるサポートが中心となりますが、治療法が限られるため、早期発見と予防が最も効果的です。
販売時に原虫の有無を確認していない場合は、新規導入の個体は必ず30〜60日間の隔離を徹底し、検便などの健康チェックを行いましょう。
腎不全・痛風
過剰な動物性タンパク質やプリン体の摂取、慢性的な脱水によって、尿酸が体内に蓄積し、関節や内臓に結晶化して痛風を引き起こします。
関節が腫れて動かなくなったり、腎機能が低下して尿が出にくくなる症状も見られます。
対策
アダルト個体は動物性のエサを控え、植物中心の食事に切り替えましょう。常に新鮮な水を与え、脱水を防ぐことも重要です。
症状が進行している場合は、血液検査を受けて尿酸値をチェックし、点滴や薬物治療が必要になります。
まとめ
フトアゴヒゲトカゲの飼育方法について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
フトアゴヒゲトカゲは丈夫で飼育しやすいとされる一方、適切な温度・紫外線管理やバランスのとれたエサの提供が不可欠です。飼育環境を最適化しつつ、個体ごとの行動を細かく観察することで健康状態を把握できます。
病気の予防には定期的な清掃や紫外線ライト交換、カルシウム補給の徹底が大事ですね。もし体調に異変を感じたら早めに爬虫類専門の動物病院を受診し、ケガや病気に対処してください。
それではまた、別の記事でお会いしましょう!