【ロイヤルバタフライアガマの繁殖】上級者の挑戦!成功のための環境準備から交配・孵化まで徹底解説

トカゲ
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皆さまこんにちは!ひとしきです。

今回は「ロイヤルバタフライアガマの繁殖」について、解説していきます。

ロイヤルバタフライアガマはまだ繁殖例が少なく、市場に出回る個体の多くが野生由来です。ですので繁殖についての情報が少なく、非常にチャレンジングでしょう。上級者の方にとっても試行錯誤が必要な領域ですが、正しい手順と注意深い観察が成功への近道です。

本記事では、繁殖に必要な前提条件から適切な環境作り、実際の交配手順、卵の管理方法、そして孵化後のケアに至るまでを詳しく解説します。

「飼育はバッチリ!繁殖に挑戦したいんだけど、何をすればいい?」

「繁殖を視野に入れて飼育を始めたい!」

という声にお答えできる内容となっております!

今わかっている情報を存分にまとめましたので、満足いただける内容だと思います。

興味がある方は、ぜひご覧ください!

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繁殖の前提条件

ロイヤルバタフライアガマの繁殖は、とてもやりがいがある反面、なかなか難易度が高い挑戦でもあります。ですが、しっかりと準備と心構えをして臨めば、成功率はグッと上がりますよ。

というわけで、繁殖にトライする前に、これだけは押さえておきたいポイントを整理してみました!
ひとつでも「まだかな?」という項目があるなら、まずはそこからクリアにしていきましょう。

ひとつずつ確認しながら、無理なく進めていきましょうね。

繁殖個体の準備

健康で元気なペアを用意する

まずはこれが大前提ですね。繁殖には、基本的にオス1頭とメス1頭のペアを準備します(もちろん、場合によっては「オス1頭:メス複数」でもOKですが、まずは基本から)。

どちらの個体も健康状態が万全であることが大切ですよ。

特にメスは、産卵や繁殖の負担が大きいので、栄養不良や病気がないか、寄生虫がいないかを事前にしっかりチェックしておきましょう。
「ちょっと痩せてるかも…?」なんて状態で繁殖させると、後々トラブルの元になりますからね。

成熟した大人個体が絶対条件

ロイヤルバタフライアガマは、性成熟に時間がかかるトカゲです。大体3~5年くらいかけて、しっかりと成長していきますよ。

サイズの目安としては、オスなら全長60cm以上、メスでも50cmくらいは欲しいところです。

まだ体が小さいうちに繁殖を試みると、メスに負担がかかりすぎて「卵詰まり」など命に関わるトラブルに発展しやすいんです。
焦らずじっくり待つのが、成功への近道ですよ。

雌雄の見分けは確実に!

これも意外と見落としがちなんですが、「本当にペアなの?」ってところはきっちり確認しましょう。
オスは尾の付け根に「2つの膨らみ(ヘミペニス)」がありますし、頭や体の色がメスに比べて鮮やかです。
逆にメスは、膨らみがなく、体色もどちらかと言えば地味めですね。
繁殖を始める前に、間違いのないペアを組んでいるか再確認しておくと安心です!

繁殖に適した年齢とシーズンを見極める

繁殖は「できるからやる!」ではなく、「今がベストなタイミング!」と思った時に始めるのが大切です。

メスは体力を消耗するので、年に1回くらいが限度だと思っておきましょう。

野生では、「春先(3~5月ごろ)」が乾季明けにあたっており、繁殖にはベストシーズンですね。
飼育下でもそのタイミングに合わせてコンディションを整えてあげると、成功率が高まりますよ。

飼育経験と観察力は必要不可欠

「とりあえずやってみよう!」という勢いだけではなかなかうまくいきません。繁殖は、オスとメスの細かな行動の変化を見極める観察力が問われます。

求愛行動や発情サインを見逃さず、時にはトラブル(交尾拒否やケンカ、卵詰まりなど)にも即座に対応する必要があります。
繁殖前には、関連文献を読み込んだり、経験者の話を聞いて、想定されるトラブルとその対策をきちんと準備しておくと安心ですね。

繁殖後のスペースと受け入れ態勢は大丈夫?

無事に卵が孵化してベビーが誕生したら、「可愛い!」だけでは済まなくなります。

その後の育成ケージや餌(特に小さいコオロギなど)は、あらかじめしっかり準備しておきましょう。
さらに、その子たちをどうするのか…
「自宅で全部飼い続けるのか?」「信頼できる知人に譲渡するのか?」「販売するのか?」まで計画しておく必要があります。

スペースやコストの問題は、後回しにせず、事前にしっかり検討しておきたいですね。

繁殖環境を整える

繁殖を成功させたいなら、ペアの状態だけじゃなく、「環境づくり」がカギになります。
特にこの種は、野生では乾季から雨季への季節の変わり目に繁殖行動を見せるので、そのサイクルを飼育下でしっかり再現してあげることがポイントですよ。

まずは「クーリング期間」を設けましょう

繁殖に向けてまず行うのが、いわゆる「クーリング(Cooling)」ですね。これは簡単に言うと、季節を「秋〜冬モード」に切り替えて、一度ペアをしっかり休ませてあげる時間です。

野生下でも、涼しい乾季の間に体を休めてから、春先に繁殖に入る流れなので、これを真似してあげるわけですね。

具体的には、繁殖の数ヶ月前、だいたい「秋〜初冬」にあたるタイミングで始めましょう。
この時期から徐々に飼育環境を変化させていきます。

  • バスキングスポットの温度は、通常の43℃から38〜40℃くらいまでゆっくり下げます。
  • 夜間の温度も18〜20℃くらいを目安にします。
  • 照明時間(UVBライト)は、12時間から10時間程度に短縮して「日が短くなったよ」とアガマに伝える感じですね。
  • 湿度も通常75%くらいから60%前後まで落としましょう。

このクーリング期間は約2ヶ月ほど。エサも普段より少なめに与えます。
オスとメスを一時的に別居させるのもアリですよ。

オスは離しておいた方が、次に再会した時に繁殖行動が活発になることもあるんです。

クーリングが終わったら「ウォーミングアップ」開始!

クーリング期間が終わったら、いよいよ「春の訪れ」を演出していきます。
ゆっくりと温度や日照時間を戻していきましょう。

  • バスキングスポットは再び43℃近くまで上げる。
  • 夜間も25℃くらいを目安に保温してあげます。
  • UVBライトの照射時間も12時間に戻します。
  • 湿度も通常の75%前後まで上げて、繁殖に適した環境を整えます。

このタイミングで、いよいよオスとメスを繁殖用ケージに同居させます。
いきなり同居させるとお互いビックリすることもあるので、最初は様子をよく見ながら慎重に。

繁殖用ケージは「広く・安全に」が基本!

繁殖用のケージは、普段よりも広めを意識しましょう。
可能であれば「180cm×60cm」くらいの大きさを用意してあげると、ペアにとって快適ですね。

オスがメスを追いかけ回すのは、よくある光景ですが、メスのストレスになりすぎると逆効果。そのために、シェルターや障害物をたくさん配置して、メスが隠れられる場所をしっかり用意してあげましょう。流木や岩、仕切り板を活用して「追いかけっこがエンドレスにならない環境」を作るのがコツです。

もしオスがしつこすぎる場合は、一時的に仕切りを入れて距離を取らせるのもアリですね。
あくまでお互いが無理なくペアリングできる状況を作ることが大切ですね。

産卵床の準備

産卵床は、深さ20〜30cm以上が理想的です。湿らせた砂土をしっかり詰めて、メスがガシガシ掘れる場所を作っておきます。

もし、ケージ内のレイアウトが難しい場合は、産卵箱(プラケースなど)に砂土を入れて設置するのもアリですよ。
メスが自由に出入りできるように穴を開けてあげると、安心して使ってくれます。

予備ケージの準備

オスがアグレッシブになりすぎたときや、交尾後にメスをしばらく静養させたいときに使える「予備ケージ」もあると安心です。
「何かあったら隔離できる場所がある」というだけで、気持ちにも余裕が出ますよね。

給餌はちょっと多めに

繁殖期に入ったら、少しずつ給餌量をアップしていきましょう。

特にメスには、産卵に備えてカルシウム剤をしっかり添加しておくのがポイントです。コオロギやデュビアを中心に、しっかり食べさせて体力をつけさせてくださいね。

これ、後々の産卵・育児のためにめちゃくちゃ大事です!

観察スケジュールを決めておく

繁殖行動は、案外一瞬だったりします。
なので、できれば朝夕など時間を決めてこまめに観察するのがベスト!
オスの求愛やメスの反応、交尾の有無を記録しておくと、次回の繁殖にも役立ちます。

異常があればすぐに対処できるよう、メモを取りながら観察するのもおすすめですよ。

交配とその手順

オスとメスを同居させたら、あとは自然な流れで交配が始まるのを見守ることになりますが、そのプロセスをちゃんと理解しておくと安心です。

今回は「求愛~交尾~産卵まで」の流れを、ポイントごとにわかりやすくまとめてみました。ペアの様子をじっくり観察しながら、タイミングを見極めるのがポイントですよ。

「無理させず、焦らず、自然の流れに任せる」これが成功への近道です!

求愛行動から交尾の始まり

オスとメスを同じケージに入れたら、早ければ数日以内にオスが求愛行動を始めることが多いですよ。
この時期のオスはやる気満々なので、

  • ヘッドボビング(頭を上下に動かす行動)
  • プッシュアップ(腕立て伏せみたいな動き)

…こんなアピールをメスの目の前で繰り返します。
体色も一段と鮮やかになって、「どう?カッコいいでしょ!」って感じでメスに近づいてきます。

もしメスがその気なら、オスのそばにじっとして逃げなかったり、尻尾を持ち上げたりと「OKサイン」を出してくれます。

逆に「まだその気じゃないよ!」という場合は、走って逃げたり、口を大きく開けて威嚇することもあるので、その時は無理させず、一度オスを別のケージに戻してあげましょう。

数日おいて再チャレンジ、というのもよくある話です。

実際の交尾はこんな感じ

メスが受け入れ態勢に入ると、オスは素早く接近してきます。
で、いきなりメスの首筋あたりに噛みついてガッチリホールド
ちょっと乱暴に見えるかもしれませんが、これは自然な行動なので心配しすぎなくても大丈夫です。

オスはそのまま尾をメスの下に滑り込ませて、自分の「ヘミペニス(半陰茎)」をメスの総排出口に挿入して交尾が成立します。交尾中は数分から十数分、そのままじーっと動かないことが多いですね。

終わったらオスはスッと離れます。

ちなみに、首筋の噛み跡は多少つくこともありますが、出血がなければ問題ありません。もし血が出るほど激しかったら、革手袋などを使ってオスを優しく引き離してあげましょう。
(その後はしばらくオスを別居させるのがおすすめ)

交尾後、メスのお尻のあたりから少し精液が見えることもあります。これが交尾成功のサインですよ。

交尾後はメスのケアに集中!

交尾が一度成功したら、多くの場合、数日〜数週間のうちに2~3回ほど繰り返すことがあります。

でも、無理に何度も交尾させる必要はありません。2~3回確認できたら十分なので、その後はオスとメスを分けてあげましょう。
オスがしつこく追い回すことで、メスが疲れてしまうこともありますからね。

メスが妊娠状態になったら、栄養管理と環境作りがとても大事です。この時期はとにかく食欲が増す子が多いので、カルシウムを強化したごはんをしっかりあげましょう。

オスはもう必要ないので、ここからはメス単独の生活です。
静かに落ち着ける環境でゆったり過ごさせてあげるのがベストですね。

産卵に備えての準備も忘れずに

妊娠したメスのお腹は、だんだんとふっくらしてきます。目で見てわかるくらいになるので、無理に触らず様子を観察するだけでOK!

産卵床(湿った砂をしっかり詰めたスペース)は早めに用意しておきましょう。
メスは産卵が近くなると、産卵床をあちこち掘り返して「ここがいいかな?」とチェックを始めます。

妊娠期間は、報告によって少し違いますが、だいたい4〜6週間で産卵が始まることが多いですよ。

産卵の瞬間は静かに見守ろう

産卵が始まると、メスは床材を一生懸命掘り始めます。この時は、できるだけ静かに、そっと見守ってあげましょう。

産卵は数時間かかることもあるので、あせらずゆったり構えていてください。

卵を産み終わったメスは、自分で掘った穴をきちんと埋め戻します。
お腹がしぼんで、産卵床のあたりの床材が乱れていたら、それが産卵完了のサインですね。

産卵後はしっかりフォローしましょう

産卵直後のメスは、かなり体力を使っています。
新鮮な水を用意して、カルシウムたっぷりのごはんを与えましょう。
この時期は無理にハンドリングしたり環境を変えたりせず、ゆっくり休ませてあげるのが一番ですね。

卵の管理

卵の管理は「細かな気配り」と「安定した環境」が成功のカギですね。ベビーたちが元気に孵化する姿を想像しながら、一歩ずつ丁寧に進めていきましょう!

卵を掘り出す

まず、産卵が終わったら、メスはしっかり巣穴を埋め戻してしまうんです。なので、どこに産んだか…目印をつけておくと後が楽です。巣穴の場所は、砂の色や湿り気が少し違うので、よく観察して見つけましょう。

卵が見つかったら、絶対に上下の向きを変えずに、そーっと掘り出します。

胚(はい)がくっついている面をひっくり返すと、胚が呼吸できなくなってダメになってしまうこともあるんです…。慣れないうちは、卵の上面に鉛筆で印をつけると安心ですね。

掘り出すときは手の温度にも気をつけて、人肌くらいをキープしつつ扱いましょう。

孵化器(インキュベーター)へ入れる

卵を掘り出したら、次は孵化器(インキュベーター)にセットします。市販のものを使うのもいいですし、発泡スチロール箱にヒーターと温湿度計を組み合わせた自作でも大丈夫ですよ。

【基本設定】

  • 温度は27〜29℃くらい
  • 湿度は70%前後

これが、ロイヤルバタフライアガマの卵にとってちょうどいい環境です。
湿度を保つために、バーミキュライトやパーライト(どちらも園芸用の土)を水と1:1の割合で混ぜて使います。

手で握って「おにぎり」ができるくらいのしっとり感が理想ですね。でも、握っても水が滴ってきちゃダメですよ!

卵の並べ方も丁寧に!

湿らせたバーミキュライトをタッパー容器に詰めたら、その中に卵を「半分埋める」イメージで並べます。間隔はあけて、一つひとつがくっつかないようにしましょう。

ここでも上下の向きを守るのが鉄則!容器には蓋をしますが、いくつか空気穴をあけておくと通気が保たれます。

そしてそのまま、インキュベーターへ。
あとは温度と湿度を一定に保ちながら、じっくり孵化を待つことになります。

孵化までの管理は「見守り」が基本

ロイヤルバタフライアガマの卵は、だいたい70〜80日くらいで孵化することが多いです。

ただ、気温や湿度によっては前後するので焦らずいきましょう。毎日、温湿度をチェックして「安定しているか」を確認してください。

蓋に水滴がつきすぎているようなら、いったん開けて換気するのも大事です。

でも、乾燥しすぎもNG!床材がカラカラにならないように、霧吹きで湿らせることもお忘れなく。
直接卵に水がかからないように注意してくださいね。

もしカビが生えた卵があったら…その卵は残念ながら死卵の可能性が高いです。
他の卵にカビがうつらないように、早めに取り除きましょう。

孵化の兆候を見逃さない

孵化が近づくと、卵の表面がしっとりして「汗をかいた」ように見えたり、へこんできたりします。
これが「そろそろ孵化するよ!」というサイン。

内側からベビーが卵歯で殻を破って、小さな穴を開け始めます(ピッピング)。穴が開いたからといってすぐに出てくるとは限らないんですね。

ここで焦って引っ張り出すのは絶対にダメ!

体力を温存しながら、ゆっくり時間をかけて出てきます。
早い子は数時間、のんびり屋さんは1日かかることもあります。

無事に孵化したら

卵からベビーが出てきたら、まずはおめでとうございます!でも、まだ終わりじゃありません。

お腹に「卵黄嚢」がついている子が多いので、すぐに普通のケージに入れるのはやめましょう。卵黄嚢が吸収されるまで(1〜2日くらい)は、湿らせたキッチンペーパーを敷いた清潔なケースで、そっと安静にさせてくださいね。

初日はエサをあげなくても大丈夫。
卵黄の栄養でしばらくは平気なので、余計な刺激を与えず見守りましょう。

孵化しない卵は…どうする?

予定日を過ぎても孵化しない卵は「死篭り(しごもり)」の可能性もあります。でも、すぐに諦める必要はありません。

  • カビも生えず
  • 形も崩れず
  • 重さもある

そんな卵は、もう少し様子を見ましょう。1〜2週間くらい粘ってみると、突然孵化することもあります。
あきらめずに、最後までケアを続けてあげてください。

ふ化した後のケア

無事にふ化してくれたら感動モノですよね!ここからは、そのベビーたちを元気に育てていくステップです。ふ化からしばらくは気を抜けない時期ですが、その分ベビーたちの成長を間近で見守るのは最高の楽しみでもあります。

日々の観察と管理を丁寧に行えば、きっと立派なロイヤルバタフライアガマに育ってくれるはずですよ!

まずは「安静第一」!

ふ化したばかりのベビーは、だいたい全長10〜15cmくらい。成体と似たフォルムですが、体の横にストライプ模様があって、尻尾もほんのり赤みがかっています。

この時期はまだお腹に卵黄嚢(らんおうのう)がついているので、エサを食べる必要はありません。
まずは静かに休ませてあげるのが一番です。

専用の育成ケースに移して、床材はペーパータオルがシンプルで管理しやすいです。紙管や小さな流木を入れて、隠れ家も用意してあげましょう。

温度は日中30℃前後、バスキングスポットで40℃弱、夜間は25℃程度にキープ。
紫外線もちゃんと必要なので、ミニタイプのUVBライトを12時間くらい照射しておくと安心です。

水皿も浅めのものを置いて、湿度が下がりすぎないように気をつけましょう。

いよいよ給餌開始!最初は小さい昆虫から

ふ化から3日ほど経って、卵黄嚢がしっかり吸収された頃が給餌のタイミングです。まずはSサイズのコオロギや、レッドローチなんかがベスト。

動くものに反応しやすいので、初めてのご飯は昆虫の方がスムーズに食べてくれます。
生後1週間くらいまでは、1日2〜3回に分けて数匹ずつ与える感じでOKです。慣れてきたら、刻んだ小松菜やモロヘイヤなどの葉野菜も試してみましょう。

小さなうちはどうしてもエサの取り合いになることがあるので、特に群れで飼っているなら、弱い個体がしっかり食べられているか観察は欠かせません。

カルシウムパウダーは、毎回昆虫にまぶしてあげましょう。
栄養のバランスを整えて、健康な骨を作るために大事なポイントです!

飼育の工夫と注意点

ベビーたちは基本的に数匹で一緒に飼えますが、成長スピードにはバラつきが出やすいです。大きく育った個体が小さい子を追い回すようになったら、思い切って分けてあげた方が無難ですね。

幅60cmくらいのケージに4匹程度までが目安。それ以上詰め込むとストレスが溜まってしまいます。

脱皮も頻繁に行われるので、湿度管理はしっかりと。ペーパータオルをほんのり湿らせておくと、脱皮不全の予防になりますね。
デジタルスケールで体重を週に1回くらい測って、成長具合もチェックしておくと安心ですよ。
体重が減っていたり、食欲が落ちている場合は何かトラブルが起きているサインかもしれません。

静かな環境でじっくり育てよう

ベビーたちはとても敏感なので、なるべく静かに育てることを意識しましょう。人間が頻繁に覗き込んだり、触りたくなる気持ちは分かりますが…ぐっと我慢!

掃除やご飯のとき以外は、できるだけそっとしておくのがベストです。

もし弱っている個体がいた場合は、早めに隔離して温度管理と栄養補給をしっかり行います。
共通の水皿を使っている場合は、寄生虫が広がるリスクもあるので、こまめな交換と清掃をお忘れなく。

成長したら

だいたい2〜3ヶ月経つと、全長も20cm近くになって、ずいぶんしっかりしてきます。この頃には、昆虫と野菜のバランスを整えて、いよいよ「アダルト食」への移行準備ですね。

半年くらい経つと、もう立派な若アガマ。
オスは体色が少し鮮やかになって、メスよりも大きく育つ傾向が出てきます。

ここまで来たら、通常の飼育と同じように大きめのケージへお引越ししても大丈夫です。
さらにのびのびとした環境で、成長を楽しんでくださいね!

モルフについて

ロイヤルバタフライアガマはその独特な模様と発色が魅力の種ですが、2024年時点では、いわゆる「モルフ」と呼ばれる遺伝的に固定された色彩変異個体は確認されていません。アルビノやリューシスティックみたいな、爬虫類ファンの間でおなじみのレアカラーバリエーションは、今のところ見つかっていません。

これは、本種が未だ流通量が少なく、飼育下での繁殖個体(CB: Captive Bred)がほとんど報告されていないことに起因しています。流通する個体の大多数は野生採集個体(WC: Wild Caught)であり、選別交配による形質固定の取り組みは始まったばかりと言えるでしょう。

しかし、性差や繁殖期による発色の違い、地域個体群による自然なバリエーションが確認されていますので、このあたりを少し、解説したいと思います。

性差による色彩変異

ロイヤルバタフライアガマでは、性差による色彩の違いがはっきりと現れます。特にオスは繁殖期になると、側面や四肢、頭部にかけてターコイズブルーやエメラルドグリーンの鮮やかな発色を示し、体側のスポット模様もコントラストが強まります。
飼育環境によっては、紫外線照射量や温度・湿度の調整によって、オスの発色が顕著になることもありますね。このような発色変化は、ブリーディングカラーとも呼ばれています。

これらは性的二型の一環であり、主にメスへのアピールと他のオスへの示威行動のために進化したと考えられています。

一方、メスや未成熟個体は地色が褐色からグレー系で、斑点模様もやや淡く、繁殖期以外では色の変化も少ないですね。

地域個体群によるバリエーション(ローカリティ差)

野生下のロイヤルバタフライアガマには、地理的分布によるローカリティ差が存在する可能性が指摘されています。

たとえば、ベトナム南部とカンボジアの個体群で、体側斑の大きさや色調に違いが見られるという報告もあります。しかしながら、これらはまだ詳細なフィールド調査や系統分析が十分になされていない段階であり、正式な亜種分類やローカリティとしての確立はされていません。

今後、これらの地域差が累代繁殖によって固定され、独自の血統ラインとして選別されれば、ロイヤルバタフライアガマにも「ローカリティモルフ」という形でバリエーションが増える可能性はあるでしょうね。

自然交雑と単為生殖種との関係

非常に興味深い研究結果ですが、ロイヤルバタフライアガマ(L. guttata)が、単為生殖種である「Leiolepis ngovantrii(ゴヴァントゥリバタフライアガマ)」の母種である可能性がDNA解析によって示唆されています。

L. ngovantriiは、L. guttataのメスと別種のオスとの自然交雑によって誕生したクローン種であり、全ての個体がメスで構成される単為生殖個体群です。この現象は、「ハイブリッドオリジン単為生殖」と呼ばれる現象で、爬虫類では珍しくありませんが、非常に興味深い進化の過程ですよね。

本種自体においても、野生下での自然交雑による遺伝的多様性の変化が存在している可能性は否定できません。ただし、飼育下での意図的な種間交配は推奨されておらず、繁殖管理には十分な注意が必要です。

将来的なモルフの展望

現在、一部の海外ブリーダーにより、ロイヤルバタフライアガマの選別繁殖が試みられています。

これにより、特定の特徴(たとえば、より鮮やかなブルー発色や、スポットのパターンが極端に強調された個体)が次第に血統化し、「モルフ」として認知される可能性はあります。

現時点では「ロイヤルバタフライアガマにモルフはない」と言い切ってもいい状況ですが、これから飼育者やブリーダーが増えていけば、もっと多様な個体が現れて、ゆくゆくは魅力的な「モルフ」として語られる時代が来るかもしれませんね。

まとめ

ロイヤルバタフライアガマの繁殖について解説しましたが、いかがだったでしょうか?

まだまだ情報が少なく難易度が高い領域ですが、繁殖環境の細部にまで気を配り、交配から孵化後のケアまで一貫して行えば、きっと可愛いベビー達に出会えるでしょう。

モルフに関してはまだ未知数ですが、今後の積み重ねで、新たな発見があるかもしれません。その第一歩を、自分が踏み出せたら…と思うとワクワクしますよね!

飼育に自信がついたのであれば、ぜひ慎重にチャレンジしてみてください!

それではまた、別の記事でお会いしましょう!