皆さまこんにちは!ひとしきです。
今回は「サビイロクチバシヘビの飼育環境」について、解説していきます。
サビイロクチバシヘビをお迎えしようと思ったら、まずしっかり整えておきたいのが「飼育環境」ですね。このヘビは東アフリカの乾燥地帯に暮らしているので、自然下に近い環境を再現してあげることが、健康に飼育するための第一歩になります。
この記事では、ケージや床材の選び方から、温度・湿度管理、照明や給水設備まで、基本をわかりやすくまとめています。さらに、お迎えのときにお店でチェックしておきたいポイントなんかも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
「お迎えしたいんだけど、どうすればいい?」
「初心者の私でも大丈夫かな?」
このような声にお答えできる内容となっております!
ポイントを押さえれば、サビイロクチバシヘビにとって快適で安全な住まいを作るのは、それほど難しいことじゃないんですよ。一緒に見ていきましょう!
サビイロクチバシヘビに関する他の記事はこちらからどうぞ サビイロクチバシヘビ
ケージの選択

サビイロクチバシヘビをお迎えするなら、まずは彼らにとって快適な住まいを用意する必要があります。ケージ選びは、飼育環境づくりの中でも特に大切なポイントですね。
押さえるべきポイントと解説
- 横幅90cm以上、奥行き45cm以上の床面積が広いケージ
- 通気性がよく、脱走防止に蓋のロック機能は必須
- ガラス製は観察に便利で、プラ製やPVCケージは保温性に優れて扱いやすい
サイズとスペース
サビイロクチバシヘビは成体になると体長が1mを超えるので、ケージは横幅90cm以上が目安になります。地表を好んで動き回るタイプなので、高さよりも、床面積をしっかり確保してあげることが大切ですね。横に広いスペースがあればあるほど、のびのび過ごせますよ。
奥行きは45cm以上あると、レイアウトの幅も広がっていい感じです。高さは30~45cm程度で十分ですが、ちょっとした登り木やレイアウトを入れるなら、余裕がある方が楽しいですね。
通気性
通気性は、意外と見落とされがちなポイントなんですが、すごく大事です!
風通しが悪いと、ケージ内が蒸れてカビが生えたり、空気がよどんでしまいます。これがヘビにとってはストレスや病気の原因にもなるので、天井や側面にメッシュがあるタイプなど、しっかり換気できるケージを選びましょう。
素材の選び方
ケージの素材にもいろいろありますよね。たとえば、ガラス製ケージは中が見やすくて、清潔に保ちやすいのがメリットです。ただし、重たいのと、保温には少し工夫が必要かもしれません。
一方で、プラスチック製やPVCケージは、軽くて扱いやすく、保温性も高いので、室温管理がラクになります。どちらを選ぶにしても、ヘビの性格や自分の飼育スタイルに合わせるといいですよ。
蓋と施錠はしっかり!
サビイロクチバシヘビは、筋力が強く、狭い隙間をこじ開ける力も持っています。
そのため、施錠機能付きの蓋はもちろん、スライドドアタイプならダブルロック、さらに不安な場合はカラビナや南京錠を併用することをお勧めします。
過去の事例でも「まさかの隙間から脱走」なんて話は珍しくありません。自宅の安全、そしてヘビ自身の安全のためにも、脱走経路の封鎖は徹底しましょう。
床材選び

見過ごされがちですが、床材選びは意外と重要なんです。というのも、ヘビはほぼ一日中、床材の上で生活していますから、床材のコンディションがそのままヘビの健康に直結するんですね。
押さえるべきポイントと解説
- 乾燥系の床材(ヤシ殻チップやアスペンシェービングス)が適している
- 脱皮不全を防ぐため、ヤシガラ土など保湿性がある素材を部分的に使ったり、霧吹きをする
- 見た目を気にしないなら、清潔に管理できる新聞紙やペーパータオルもオススメ
- 給餌時は床材の誤飲を防ぐため、トレイを敷くなどの工夫が必要
基本は乾燥系の床材から
サビイロクチバシヘビは、比較的乾燥した草原や藪地(ブッシュランド)に生息するヘビなので、飼育下でも適度に乾燥した床材が理想です。
オススメは、ヤシ殻チップやアスペンシェービングス(ヤマナラシ材の削り屑)です。どちらも通気性が良く、湿気がこもりにくいので、ケージ内の環境を安定させやすいですね。特にアスペン素材は、軽くて扱いやすく、ホコリも出にくいので掃除もしやすいですよ。
床材を誤飲してしまうと、腸閉塞になる可能性があります。誤飲を防止するために、給餌のときはトレイを用いるか、床材のない場所で与えるのがオススメです。
保湿も忘れずに
乾燥系の床材を使用しますが、乾燥しすぎも良くありません。特に脱皮前は、体表の水分バランスが崩れると、脱皮不全になりがちです。そんなときは、ケージの一部にヤシガラ土やパームピートを使ったり、床材に定期的に霧吹きをして局所的に湿度を上げる工夫が必要です。ウェットシェルターを使用するのも効果的ですね。
ポイントは「ケージ全体を湿らせない」こと。乾燥エリアと湿度が高めのエリアをしっかり分けておくと、ヘビが自分で快適な場所を選んで過ごせます。
清潔さと管理のしやすさは超重要
床材の管理がずさんだと、ニオイがこもったり、病気の原因にもなります。ですので、掃除のしやすさはかなり大事です。ヤシ殻チップやアスペンは部分交換がしやすいですが、もっとシンプルに管理したい人は新聞紙やペーパータオルも選択肢に入れても良いですね。
とくに隔離中の個体や、健康状態を細かくチェックしたいときには、紙系の床材が便利です。ただ、ちょっと見た目が味気なくなるのと、保温性は落ちるので、そのあたりは好みと目的で使い分けましょう。
シェルターとレイアウト

サビイロクチバシヘビを安心して飼育するには、「隠れ家」と「レイアウト」をしっかり作り込んであげることが大切です。野生でも地表を這いながら、木の根元や巣穴に隠れていることが多いので、ケージの中でも似たような環境を再現してあげましょう。
押さえるべきポイントと解説
- ケージにはシェルターを最低2つ置き、暖かい側と涼しい側に設置する
- シェルターは狭く暗いもの(洞窟型・半割り丸太など)を選ぶ
- サイズは、ヘビがぴったり収まるサイズが理想
- 流木や岩を使って高低差をつけると、ストレス軽減や運動不足解消になる
- 床材は潜れるよう5cm以上の深さを確保する
シェルター(隠れ家)の数と設置場所
最低でも2つは用意してください。ケージ内の暖かい側(ホットスポット)と涼しい側(クールスポット)、それぞれにシェルターを置くのが基本です。
ヘビは体温調節を自分でコントロールする動物なので、「どちらにも隠れ場所がある」というのが安心につながるんですよ。
シェルターの種類と選び方
市販の洞窟型シェルターはもちろん、半割りの丸太や素焼きの植木鉢を転用するのもアリです。自作派の人なら、ココナッツの殻やプラスチック容器に穴を開けたものでも大丈夫。
大事なのは、ヘビの体がきちんと収まる大きさで、中が暗く落ち着けることですね。入り口はなるべく小さめの方が安心感を与えます。
レイアウト要素
特に流木は、斜めに配置すると登ったり降りたりする動きが増えて、運動不足の解消にもなります。サビイロクチバシヘビは基本は地表性ですが、低い位置の岩や枝にはよく登るんですよ。
岩の上で休むのは、体温を調整するためでもあります。ホットスポットの近くに置いてあげると、より自然な行動が引き出せます。
ただし!重たい岩はしっかり固定してくださいね。倒れてヘビをケガさせたら大変です。流木も、動かないように配置するか、接地面をしっかり安定させましょう。
床材は潜れる深さを意識
サビイロクチバシヘビは、ときどき地中に潜る習性もあります。なので、床材は最低でも5〜10cmくらいの深さを確保すると良いですね。潜り込むことでストレスが減り、より自然な生活リズムに近づけることができます。床材は崩れにくく、しっかり掘れる素材を選んでくださいね。
温度と湿度

健康に育てるなら、まず押さえたいのが「温度」と「湿度」のコントロールですね。この2つを間違えると、免疫力の低下や脱皮不全、食欲不振なんてトラブルにつながりやすいんです。
ポイントをしっかり押さえれば、そんなに難しくないですよ。
押さえるべきポイントと解説
- 昼間はホットスポット30~32℃、クールスポット25℃で温度勾配を作る
- 夜間は最低20℃を下回らないよう保温する
- 湿度は40~60%が理想、乾燥時は霧吹き、過湿時は通気と除湿で調整
- サーモスタットと温湿度計は必須、数値管理を習慣にする
しっかり温度差を作る
日中のケージ内は、ホットスポットを30~32℃くらいにして、クールスポットは25℃前後に抑えるのが基本です。温度勾配を作るために、ケージの片側にヒートマットやセラミックヒーターを設置して、片側だけを温めましょう。サーモスタットも必須ですね。これがあると温度の急変を防げます。
夜は気温が下がってもOKですが、最低でも20℃はキープしましょう。急激な冷え込みはストレスや免疫力低下を招きます。冬場は特に部屋全体の気温にも気を配ってくださいね。
湿度は40~60%が目安
サビイロクチバシヘビは、完全な乾燥環境ではなく、適度な湿度を好むタイプです。理想は湿度40~60%の中間あたり。乾燥しすぎる冬は、1日1~2回霧吹きで軽く加湿してあげましょう。ただし、ケージ内が常にジメジメしていると皮膚病のリスクが上がるので、床材だけが軽く湿る程度に抑えるのがポイントです。
逆に湿度が高すぎる時期、特に梅雨や夏はケージの通気を強化し、場合によっては除湿器を使って調整します。
温湿度計は必須アイテム!
ケージ内の状況は「目視だけ」だと限界がありますから、温湿度計を設置して、こまめにチェックするのを習慣にしましょう。
安定した温湿度は、食欲や脱皮の安定にもつながります。ここをサボらなければ、健康トラブルのリスクはグッと減らせますよ。
紫外線ライトの必要性

紫外線ライトについては、迷う人が多いんじゃないでしょうか。サビイロクチバシヘビの飼育においても、この疑問はよく聞かれます。
結論から言うと、必須ではないけれど、あるとより良い環境を作れるというイメージですね。
押さえるべきポイントと解説
- 紫外線ライトは必須ではないが、昼夜リズムの維持や活動性向上に役立つ
- UVB指数2.0〜5.0程度の弱中レベルで十分
- 発熱や設置距離に注意し、紫外線ライトは6ヶ月〜1年で交換する
紫外線ライトは必須?
サビイロクチバシヘビは、日中に活動する昼行性のヘビですが、イグアナやリクガメのように大量の紫外線(UVB)が必要なわけではありません。
ビタミンD₃は獲物(主に小型哺乳類など)の内臓からしっかり摂取できるため、紫外線ライトは必須アイテムではない、というのが基本の考え方です。
ただし、「紫外線ゼロ」でいいかというと、そうでもありません。
昼行性の種ということもあって、弱めのUVBライトを導入すると、昼夜のリズムが整いやすくなるんです。自然光に近いサイクルを再現できるので、活動性や食欲の向上が期待できます。
「日中にしっかり活動→夜は休む」という流れを作りやすくなるわけですね。
観察用のライトも兼ねるなら、昼白色LEDと併用するとケージ内が明るくなって見やすいのもメリットです。
どんなライトが適している?
UVBライトを選ぶなら、UVB指数2.0〜5.0程度の弱〜中程度のタイプで十分です。昼行性のヘビだからといって、強すぎるライトは必要ありません。
設置はケージ上部がおすすめで、ヘビがその下で「日光浴」できるようなレイアウトにすると、より自然な行動が見られますよ。
注意点はここ!
ライトは発熱するので、ヒートランプと近づけすぎないことがポイント。過度な加温にならないよう、設置場所はしっかり考えましょう。
あと、紫外線ライトは時間が経つと紫外線の照射量が減ってくるので、6ヶ月から1年を目安に交換してください。点灯していても、紫外線はほとんど出ていない…なんてこと、意外とありますから。
給水設備

新鮮な水の確保は基本中の基本です。「いつでもきれいな水がある」という環境をキープすることが、ヘビの健康維持には欠かせません。
水は飲むだけでなく、体温調整や脱皮補助にも関わるので、水管理=健康管理だと思ってこまめにチェックしてくださいね。
押さえるべきポイントと解説
- 体が浸かれる大きさの水入れを設置し、水浴びや体温調節をサポート
- 水は毎日確認し、最低2〜3日に一度は交換、容器は週1回洗
- 暖かい側は湿度維持に有効だが水質悪化に注意、状況に応じて配置を調整
水入れのサイズと形状は?
サビイロクチバシヘビは時々水浴びをすることがあるので、体がしっかり入るくらいの大きめの水入れを用意するのがオススメです。
頭を突っ込んで水を飲むだけでなく、体ごと浸かって体表の汚れを落としたり、体温を下げたりする行動を見せることがあります。ただし、あまりに深すぎるとヘビが出入りしにくくなるので、適度な深さで、出入りしやすい構造のものを選びましょう。
安定感のあるウォーターディッシュが理想的ですね。
水の清潔さをキープ
水は「とりあえず入れっぱなし」ではダメです。サビイロクチバシヘビは、水入れの中で排泄することも珍しくないので、毎日チェックが必須ですね。
見た目がきれいでも、長く置いておくと細菌や藻類が繁殖してしまいます。最低でも2~3日に一度は必ず新しい水に交換し、容器も週に1回はしっかり洗浄してあげましょう。水が汚れていると、飲水を避けて脱水になったり、皮膚トラブルの原因にもなりますから注意が必要です。
水入れの設置場所も意外と大事
どこに置くか、ちょっと悩みますよね。暖かい側に設置すると、水が蒸発しやすくなって湿度維持には効果的ですが、その分雑菌が繁殖しやすくなります。逆に涼しい側に置くと水質は安定しますが、湿度の補助効果は期待できません。全体の湿度バランスを見ながら、どちらが適しているかを考えて設置しましょう。
もし湿度が低くなりやすい場合は、水入れを2箇所設置したり、爬虫類用の加湿器(フォッガー)を併用するのも手ですね。
常に新鮮な水を用意するのが飼育の基本
結局のところ、「いつでもきれいな水がある」という環境をキープすることが、ヘビの健康維持には欠かせません。水は飲むだけでなく、体温調整や脱皮補助にも関わるので、水管理=健康管理だと思ってこまめにチェックしてくださいね。
飼育環境準備チェックリスト

これまでの解説も踏まえ、飼育環境を整えるための必須アイテムリストを作成しました。お迎え前に、ぜひ確認してくださいね。
✅ ケージ本体(幅90㎝以上×奥行45㎝以上・通気性・施錠可能なもの)
✅ 床材(ヤシ殻チップ、アスペン等)
✅ シェルター(隠れ家)2個以上
✅ 流木・岩などのレイアウト用品
✅ ヒートマットまたはヒートランプ(保温器具)
✅ サーモスタット(温度自動調節装置)
✅ 温度計・湿度計(ケージ内環境モニター用)
✅ 水入れ(大きめで安定した容器)
✅ 紫外線ライト(必要に応じて)および照明器具
✅ 霧吹き(湿度調整用)
✅ 餌用トング(給餌時の安全確保用)
✅ ケージ清掃用品(ピンセット、ゴム手袋、消毒剤など)
購入時の確認ポイント

ここでは、実際にショップでチェックすべきポイントをまとめました。初心者の方でも安心して選べるように、ひとつひとつ確認していきましょう。
健康状態のチェック
まずは体をしっかり観察しましょう。
痩せすぎておらず、しっかり筋肉が付いていて、動きに力強さがある個体が理想です。目は澄んでいるか、口周りに泡やよだれはないかも要チェック。口の中まで見られるなら、ピンク色で綺麗な状態かを確認すると安心ですね。呼吸器の不調があると口元に異変が出やすいので注意しましょう。
寄生虫の有無
体表に黒い点が動いていたら、それはダニかもしれません。特に目の周りや腹側の鱗の隙間、肛門周辺は要チェックです。ダニが付いている場合は駆除が必要になり、初心者にはちょっとハードルが高いこともあるので、できれば避けた方が無難ですね。
動きと反応
可能であれば、ハンドリングをさせてもらいましょう。持ち上げたときに、ぐっと体に力が入っている個体は元気です。逆にぐったりしている場合は、体調不良や温度不足による代謝低下の可能性があります。
給餌状況
その個体が、すでに冷凍マウスに餌付いているかは大事なチェックポイントです。野生採集個体だと、餌付けが進んでいない場合もあるので、初心者には少し手こずるかも。できれば「最後に餌を食べたのはいつですか?」と聞いておくと安心です。可能なら給餌の様子を見せてもらうのもアリですね。
性別と年齢
繁殖を考えていないなら性別はそれほど気にしなくても大丈夫ですが、ペア飼育や繁殖を予定しているなら、しっかり確認しておきたいですね。年齢については、初心者ならある程度育ったヤングサイズ以上がおすすめ。幼体はデリケートなので、管理が少し難しくなります。
性格や扱いやすさ
店員さんからその個体の性格も聞いてみましょう。大人しい性格の個体は、ハンドリングもしやすく、初心者には安心です。ちょっと攻撃的な個体は、慣れてくると問題ない場合もありますが、最初は穏やかなタイプが無難ですね。
購入時の書類とアフターサポート
領収書や証明書はしっかりもらっておきましょう。ワシントン条約には該当しない種ですが、証明書があると何かあった時に安心です。さらに、購入後のサポートがあるショップだと、初心者にも心強いですね。「困ったときに相談できますか?」と確認しておくと良いですよ。
まとめ
サビイロクチバシヘビの飼育環境について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
ケージの広さや温度設定、湿度や隠れ家など、どれもヘビの習性に即した環境づくりの要素です。必要な設備と条件を満たすことで、ヘビにとっても飼育者にとっても快適な環境が出来上がります。
初心者であってもポイントを押さえれば特別難しいことはありませんので、万全の態勢を整えて、お迎えしてくださいね。
それではまた、別の記事でお会いしましょう!